2025 年 34 巻 2 号 p. 165-170
目的:非結核性抗酸菌症(NTM)患者へのエネルギー充足率を指標とした栄養介入の有効性を明らかにする.
方法:管理栄養士による食事調査と栄養指導を実施したNTM外来患者42例を後方視的に検討した.「エネルギー摂取量/総エネルギー消費量」をエネルギー充足率とし,摂取量は管理栄養士による24時間思い出し法を用いて推算した.
結果:42例は年齢中央値71歳,女性が34人(81%)だった.低体重(BMI 18.5 kg/m2未満)の22例ではそれ以外の20例と比べてエネルギー充足率が有意に低かった.エネルギー充足率100%未満の21例中16例について栄養指導の3ヶ月後に再評価したところ,エネルギー充足率の改善を認め,3%以上の体重減少を示した患者はいなかった.
結論:NTM患者において,エネルギー充足率を指標とした早期の栄養指導を行うことにより,エネルギー摂取量が増加する可能性がある.