間質性肺炎は慢性進行性の疾患であり,病勢進行によって生じる呼吸困難や不安感の増大に対する症状を緩和することは重要な課題であるが,有効な薬剤についての検討や報告は少ない,そこで当院で間質性肺炎に対して入院で緩和ケアを導入された28例について後方視的に検討を行った.呼吸困難に対してモルヒネ経口投与が9例,モルヒネ経口投与+抗精神病薬15例,モルヒネ経口投与+抗うつ薬3例,モルヒネ経口投与+抗精神病薬+抗うつ薬1例に導入され,介入前後のIPOSスコア平均値は3.0から1.61と改善を認めた.また不安に対して抗精神病薬9例(60%),抗精神病薬+睡眠導入剤4例(26.7%),抗うつ薬1例(6.7%),抗うつ薬+睡眠導入剤1例(6.7%)が導入されIPOSスコアの平均値2.91から1.27と改善が認められた.短期間での検討においてモルヒネ経口内服及び抗不安薬は間質性肺炎患者の呼吸困難や不安感の改善に寄与した.