1999 年 9 巻 2 号 p. 198-201
呼吸器は生命維持に直結した重要な機能を営んでいるため,この障害は,全身に重大な影響を及ぼすこととなる.多発性肺のう胞症による慢性呼吸不全の経過の中で,経気管酸素投与(TTO)が不可欠な状態となった患者は,長期にわたる治療や生活の調整とともに,TTOの装具が正しく機能しなければ,生命の危機にも直結することになる.そのため,自己管理の方法を習得し,管理を継続しなければならない.<br> 自己管理の手技,手順を事細かく書いたチェックリストを用いて指導することで,医療介護の経験が乏しい患者への指導に統一性が生まれ,指導者が変わっても患者の混乱が少なくなり,指導者にとっても患者の習熟度がわかりやすいため,効率良く指導が行えたと考える.また,患者は手技の習得とともに,生活全般にやる気と自信が得られることもわかった.