論文ID: 20-21
【目的】ベッド上の異なる姿勢が横隔膜運動と換気量に与える影響を検証すること.
【対象】健常成人男性30名を対象とした.
【方法】各姿勢はベッドアップ0°,30°,60°,ベッドアップ60°での仙骨支持および胸腰椎支持の5条件を設定した.横隔膜運動は超音波診断装置を用いて横隔膜筋厚差(以下⊿Tdi)と,安静時の換気量で除した値(以下⊿Tdi/TV)を算出し,信頼性の検証のため測定は2回行った.
【結果】⊿Tdi,⊿Tdi/TVの信頼性は保たれ,横隔膜運動はベッドアップ0°よりベッドアップ60°で有意に増加したが,仙骨支持および胸腰椎支持では横隔膜運動は有意に減少した.
【結語】健常成人男性におけるベッドアップ60°では横隔膜運動が高まるが,仙骨支持および胸腰椎支持は横隔膜運動を低下させることが示された.