論文ID: 21-44
本研究は、わが国におけるCOPD患者の家族の体験と家族への看護ケアについて文献的考察から明らかにして、研究課題と研究の方向性を検討することを目的とした。
「慢性閉塞性肺疾患」or「COPD」、「家族」or「介護者」、「看護」のキーワードと「原著」「抄録あり」「会議録を除く」、2000年から20年間の条件で文献検索した。対象文献12件から、家族に関する記述を抽出し、【家族が体験していること】と【家族への看護】に分類して、その記述内容を分析した。
家族を対象とした文献はわずか1件で、他は目的や対象が異なる研究結果や考察の一部で述べられており、家族の体験や家族への看護は十分に明らかにされていない現状であった。看護師は、家族を、患者の療養に必要な存在と捉えて協力依頼していると考えられた。
今後は、家族に焦点を当てた研究を進めて家族の体験や家族そのものへの看護について、具体的な内容を明らかにしていく必要があると考えられた。