日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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肺癌手術患者における入院期間中の運動耐容能改善は術後1ヶ月の運動耐容能に影響する
木戸 孝史奥野 将太白土 健吾川満 謙太大神 汰一小須田 シオン樋口 卓哉三宅 彩音安田 学山下 智弘
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論文ID: 22-30

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抄録

【目的】肺癌手術患者における入院期間中の運動耐容能改善が,術後1ヶ月の運動耐容能に影響を与えるか検証した.

【方法】対象は,非小細胞肺癌に対して肺葉切除術を施行した105例.入院期間中の6分間歩行距離(以下,6MWD)の変化量(退院前6MWD-術前6MWD:以下,入院中Δ6MWD)が,術後1ヶ月での術前6MWDへの回復の有無に影響を与えるか,多重ロジスティック回帰分析を実施した.また,術後1ヶ月での術前6MWDへの回復の可否に関する入院中Δ6MWDのROC曲線を描写した.

【結果】入院中Δ6MWDは,術後1ヶ月での術前6MWDへの回復の有無に影響を与える独立因子であり,カットオフ値は-17mであった.

【結語】肺癌手術患者における入院期間中の運動耐容能改善は,術後1ヶ月での術前運動耐容能への回復に影響を与えることが示唆された.また,退院前6MWDが術前6MWDから-17m以内に改善することで,術後1ヶ月に術前6MWDへの回復を予測する可能性がある.

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