日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-21
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ポスター発表
食酢およびキウィの希釈液により前処理した廃鶏の肉の加熱による結合組織の変化
*佐藤 靖子鈴木 惇
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抄録
  廃鶏は長期間の飼育により結合組織が発達して肉質は硬くしまっている。この硬い肉は、食酢およびキウィによる前処理により組織構造が変化する。今回は、食酢およびキウィの希釈液に浸漬後、加熱した場合の廃鶏の肉の結合組織の変化を調べた。
  材料には廃鶏のムネ肉を用い、縦0.5cm、横2.5cm、厚さ1.2cmに切り取り、食酢およびキウィを25%に希釈した液に24時間浸漬した後5分間加熱した。これらは、10%ホルマリン液で固定後パラフィンに包埋して薄切し、筋線維と膠原線維を染め分けるピクロシリウス染色を行った。 
 食酢に浸漬した肉の筋上膜は、筋束に接着していた。表層部の筋周膜は、部分的に接着が弱く筋束間に間隙が生じた。内部の筋周膜も表層部と同様に筋束間に間隙が生じた。筋内膜は一部分解した。 キウィに浸漬した肉の筋上膜はほとんど消失した。 筋上膜下では、筋周膜は部分的に切断されて筋線維は分離していた。内部の筋周膜では、変化はほとんどみられなかった。 食酢に浸漬した肉では、表層部および内部ともに結合組織の変化が大きかった。キウィに浸漬した肉では、表層部の結合組織の変化は大きかったが内部では小さかった。
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© 2012 日本調理科学会
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