研究 技術 計画
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企業経営と研究開発の関係に関するシミュレーションの試み : その7 外部経営環境の変化と企業の固定費支出挙動
二宮 和彦
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1997 年 11 巻 3_4 号 p. 213-221

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抄録
外部経営環境変化に対する企業の対応策をその固定費支出挙動上の特徴により分類し、標準型、商社論理主導型、超商社論理主導型、銀行論理主導型および超銀行論理主導型の5種類に類型化した。人的および物的の両固定費の支出額を、それぞれ税前利益極大化状態における両固定費と等しくすることにより、利益の極大化を図る方式を標準型とし、両固定費の実支出額と標準型の支出額との大小関係の組み合わせによって、これらの類型の特徴をシミュレーションモデルにより実現した。さらに両固定費支出額が標準型のそれから増減した場合に、系の税前利益極大化販売単価の変化が量的にどの程度になるかをモデルを利用して計算により示した。各類型の固定費支出挙動の特徴を外部経営環境の変動状況との関連で捉えてその得失を論じ、その上で経営効率の観点からは固定費支出挙動としては標準型が最も望ましく、さらにこれは先報で提案(6)した研究開発主導型経営における固定費支出挙動と同一内容になることを明らかにした。
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1997 研究イノベーション学会
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