抄録
公的機関の推進する研究開発プロジェクトが効率的かつ効果的に成果を発揮するためには,適切な目標設定とそのマネジメントが極めて重要となる。本稿では,具体的な事例を基に,公的機関における研究開発プロジェクトの目標設定の現状を調査検討した。その結果,数値目標化については徹底されている一方で,目標設定段階における前提条件や背景の明示,プロジェクトの性格に応じた目標設定,意欲的な目標を設けつつ,機動的に目標を見直す必要性等の問題があることが明確になった。そこで,本研究では,公的研究機関が実施する研究開発プロジェクトにおいて,技術的観点,経済的観点,社会的観点および政策的観点から望ましい目標設定及び管理方法の在り方について提案する。