抄録
本稿は,過去35年間の研究管理の経験の特に実践的側面と大規模研究プロジェクト管理に関する先進的な意思決定法について要約している。実践的側面は常識的である。すなわち,最も優秀な頭脳の人材を採用し,働く誘因と適正な作業環境を提供することである。しかしながら,本稿で採用されている意思決定方法は新しいものである。すなわち,それはリアルオプションと呼ばれ,割引キャッシュフロー法よりも優れている理由としては,将来の時点で情報が明確になった状況に応じて意思決定を行なう能力を勘案していることが挙げられる。本稿ではリアルオプションのタイプとしては,廃棄オプションと拡張オプションの価値について数値例をもとに議論されている。