研究 技術 計画
Online ISSN : 2432-7123
Print ISSN : 0914-7020
企業サステナビリティを促進するサービス深化モデル
杉山 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 28 巻 3_4 号 p. 303-312

詳細
抄録

本論文は,サービス経済下で企業サステナビリティ(持続可能性)を促進するために,サービス提供者と受領者の関係性に注目し,その変移の過程を分析することを目的としている。サービス当事者間の関係が継続性を持つようになると相互の間で依存と信頼関係が生まれる。こうしたサービス深化は企業サステナビリティを高めうる。本研究では事例分析を基に,このサービス深化の過程における,顧客状態・相互関係の変移,およびその促進要因を明らかにする。分析対象はスターバックスを始めとする,顧客とのサービス関係の深化を推進しサステナビリティ経営を実践している先進企業4社である。分析の結果,このプロセスでは,Product,Physical Evidence,People,Perspective,Personalizationという5Pがサービス要素として機能しており,サービス提供者と受領者の関係性が単なる機能の交換関係から意味の共有・交換関係に発展していることがわかった。さらに両者のコミュニティ形成を動機付け,企業の持続的な発展に寄与していることを示した。

著者関連情報
2014 研究イノベーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top