2024 年 39 巻 1 号 p. 51-62
研究基盤とは,研究設備,体制,システム,基礎技術,情報インフラなど,研究活動に不可欠となる多面的な要素の総称である。本稿では,我が国の共用政策の変遷と技術職員に関する議論を追いながら,北海道大学の取り組みを事例として研究基盤のインパクトを考え,現状と展望を探る。その際,技術職員に関わる議論の変遷と政策について「政策の窓(policy window)」について論じつつ,共用政策における政策起業家(Policy Entrepreneurs)の動きについても触れる。また,技術職員に求められる能力と自己実現について論じ,自己実現基礎モデルを紹介する。