2024 年 39 巻 1 号 p. 8-16
研究基盤の共用化政策は,第6期科学技術・イノベーション基本計画等において「研究環境改革」に位置付けられた。一方で,研究基盤に関するエビデンスはこれまで質・量ともに不十分であり,EBPM(Evidence-based Policy Making)に基づく政策的なフィードバックが得られる状況ではなかった。そのような状況を勘案し,内閣府が構築したe-CSTI(Evidence data platform constructed by Council for Science, Technology and Innovation)では,近年研究基盤に関するエビデンスを取得し分析を試みている。
本論文では,研究力を強化する研究環境に関する新たなエビデンスと科学技術・イノベーション政策について紹介し,今後の研究基盤(ハード(施設・設備)とソフト(人財・システム)一体となった基盤)と研究環境改革の最前線について議論する。