2020 年 45 巻 2 号 p. 168-174
目的:排便障害を抱える透析患者の排便ケアに対し超音波検査(エコー)をより有用に活用すべく肛門と尾骨間から直腸・肛門管を経臀裂的にアプローチする新しい走査方法を考案し,直腸内腔のエコー所見による便性状評価の有用性を検討した.
対象と方法:2018年11月から2019年7月の期間において褥瘡対策チーム(PUT)にて褥瘡ケアが必要とされた排便障害のある透析患者8名(79.5±10.4歳,男性3名,女性5名)を対象とし,従来法である経腹アプローチ走査法と新法である経臀裂アプローチ走査法による直腸内腔の描出範囲を比較した.またエコー所見とブリストル便形状スケール(BSスコア)をもとに事前に作成した4分類による評価表にて30症例を4分類し,分類した結果と摘便した便のブリストル便形状スケールによる便性状の一致を割合で比較した.
結果:経腹アプローチ走査法に比し経臀裂アプローチ走査法の描出範囲は明らかに広く,有用性が示唆された.経臀裂アプローチ走査法によるエコー所見より得られた便性状と摘便した便より評価した便性状の一致率はGroup1(rock)100%,Group2(cotton)93%,Group3(mousse)93%,Group4(便なし)100%であった.
結論:考案した経臀裂アプローチ走査法のエコー所見による便性状の考察は排便ケアに有用であると示唆された.