超音波検査技術
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症例報告
超音波検査が発見の契機となった虫垂子宮内膜症の1例
町田 直子森 貞浩矢島 麻里絵森 夕佳藤浪 麻衣井上 知彦中川 潤一西 八嗣
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電子付録

2021 年 46 巻 1 号 p. 36-43

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抄録

症例は40代,女性.初学者に対する腹部超音波検査のトレーニングで被験者になった際,虫垂に腫瘤性病変を指摘された.超音波所見では,虫垂体部から先端側は腫大,屈曲し,不整形低エコー腫瘤像を呈していた.腫瘤部では壁の層構造は消失していたが,正常部位の固有筋層と連続するようにみえた.腫瘤の内部エコーはやや不均一で,わずかに点状高エコーが混在していた.ドプラ上は乏血性の腫瘤であった.造影CTも施行されたが,虫垂に造影効果を伴う腫瘤性病変は指摘できなかった.血液検査では腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.超音波所見上は悪性腫瘍の可能性を除外できず,腹腔鏡下虫垂切除術を行うこととなった.病理組織学的所見では,固有筋層内に島状に散在する子宮内膜腺類似の腺管と間質を認め,虫垂子宮内膜症と診断された.虫垂子宮内膜症は比較的まれな疾患であり,特異的な画像所見はなく,術前に診断することは困難であるとされているものの,虫垂先端の腫大と屈曲は比較的多く認められる肉眼的所見であり,病理組織学的には病変主座が固有筋層~漿膜下層であることが多いとされている.本症例は診断に苦慮したものの,超音波検査でのみ病変を指摘することができ,かつ無症状の虫垂子宮内膜症の形態的特徴を明瞭に捉えることができた貴重な症例であると思われたため,文献的考察とともに報告する.

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© 2021 一般社団法人日本超音波検査学会
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