超音波検査技術
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SWEにおける測定条件および検者間評価の信頼性の検討
長島 佳美関口 由里子高橋 弥生高野 三千代平野 美穂斉藤 剛加藤 弘之倉田 仁
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: 320

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抄録

はじめに:Shear Wave Elastography(SWE)は,検査の習熟度や測定条件の違いにより差が生じることが知られている.今回,検査の精度向上を目的とし,測定条件および検者内・間評価法の信頼性について検討を行った.

対象と方法:対象は肝疾患非保有者6名.(平均年齢46.5±15.4歳,男性2名,女性4名)使用機器はキヤノンメディカルシステムズ社製Aplio300(探触子PVT-375BT).超音波検査従事者5名が,剪断波速度(以下Vs)(m/s)を測定した.検討項目は,1)検者内・間の測定値のバラつき,2)一つのROIに対して測定ポイントを一つ置く方法と四つ置く方法による比較,3)仰臥位と30度程度の左側臥位との体位比較,4)測定回数による比較.信頼性の評価は級内相関係数(ICC)を,統計にはt検定をそれぞれ用いた.

結果:1)検者内ICC(1,1)は5人中4人で0.7以上,検者間ICC(3,5)は0.774であった.2)被験者6例中2例,検者間5例中1例において有意差を認めた.3)体位による有意差は認めなかった.4)1回測定値と3回測定平均値との間には有意差を認め,3回測定平均値と6, 9, 12回測定平均値との間には有意差を認めなかった.

考察:CV値が高値となった例では,肝測定断面やROIの置く位置が他例とは異なりこれらの測定条件の違いがVs値のバラつきに影響する推測された.

結語:肝疾患非保有者においては,測定条件を統一し,一つの測定ポイント,仰臥位,3回測定の平均値を用いることで精度は保たれると考える.

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© 2021 一般社団法人日本超音波検査学会
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