抄録
われわれは5例のストーマ静脈瘤を経験した。平均年齢は60.2歳±8.8歳(50~67歳)。ストーマ静脈瘤からの初回出血はストーマ造設から平均3年3ヶ月±3年5ヶ月(50日~9年)。いずれも繰り返し出血し圧迫止血で一時止血可能であった。4例に対し皮膚接合部の静脈瘤にphenol硬化療法、3例に縫合止血、2例でゴム輪結紮、1例は脾動脈塞栓術を施行した。3例は肝不全で死亡した。アルコール性肝硬変症例では断酒によってストーマ静脈瘤が改善し出血が消失した。ストーマケアとしては、主に二品系装具を用い、面板のストーマ孔を大きくして練状皮膚保護剤を併用するなど、静脈瘤への刺激を避ける工夫を行った。