日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
27 巻, 2 号
27巻2号(通巻72号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
表紙
東日本大震災と第29回総会の支援
協会の震災対策を振り返って
学会総会報告
学会賞報告
  • 河島 秀昭, 樫山 基矢, 関川 小百合, 高橋 夏絵
    2011 年 27 巻 2 号 p. 4
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
     われわれは5例のストーマ静脈瘤を経験した。平均年齢は60.2歳±8.8歳(50~67歳)。ストーマ静脈瘤からの初回出血はストーマ造設から平均3年3ヶ月±3年5ヶ月(50日~9年)。いずれも繰り返し出血し圧迫止血で一時止血可能であった。4例に対し皮膚接合部の静脈瘤にphenol硬化療法、3例に縫合止血、2例でゴム輪結紮、1例は脾動脈塞栓術を施行した。3例は肝不全で死亡した。アルコール性肝硬変症例では断酒によってストーマ静脈瘤が改善し出血が消失した。ストーマケアとしては、主に二品系装具を用い、面板のストーマ孔を大きくして練状皮膚保護剤を併用するなど、静脈瘤への刺激を避ける工夫を行った。
教育セミナー
原著
  • 政田 美喜, 池奥 美智代, 藤川 尚子
    2011 年 27 巻 2 号 p. 23-28
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
     急性期施設では、在院日数の短縮を図る一方で、高齢者の多い地域では完治しないまま継続ケア可能な転院先、または在宅ケアへ移行するために地域連携システムを活用し、退院調整している。しかし、様々な理由により転院先が見つからず在院日数の長期化を招くこともある。今回、術後合併症によりストーマ管理困難と創管理が必要であったケースの転院受入れ拒否をめぐり、情報提供の在り方を検討した。継続ケア受入れの判断を容易にし、連携先スタッフへのケア支援を目的に、Digital Versatile Disc(DVD)によるビジュアル化した情報提供を行った結果、有効であったので報告する。
  • Itabashi Michio, Bamba Yoshiko, Hashimoto Takuzo, Ogawa Shinpei, Tsuji ...
    2011 年 27 巻 2 号 p. 29-37
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
     ストーマ術後早期合併症の頻度と実態を明らかにし、問題点について考察した。
     対象は、2008年3月から2009年9月にストーマ造設された69例である。早期合併症は、69例中55例(80.9%)、皮膚障害を除くと69例中29例(42.6%)の症例に生じていた。皮膚障害54.4%、粘膜皮膚離開42.6%、ストーマ周囲膿瘍5.9%、ストーマ壊死1.5%、痩孔1.5%であった。皮膚障害以外では、粘膜皮膚離開がその大部分を占めていた。早期合併症の生じたストーマは、排泄孔の高さが低かった(p<0.05)。粘膜皮膚離開は、イレオストミー,双孔式ストーマ、潰瘍性大腸炎症例で高頻度であった。皮膚障害の予防としてストーマ口の高さを確保することが重要である。また、粘膜皮膚離開は高頻度であり、これを念頭において粘膜皮膚縫合を確実に行うことが肝要である。
症例報告
  • 松田 常美, 曽我 智美, 田中 結華, 永原 央, 野田 英児, 井上 透, 前田 清
    2011 年 27 巻 2 号 p. 39-43
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
     ストーマ周囲、腸痩周囲皮膚に皮膚深層部から色調変化を伴って隆起するぶどう状の皮膚病変を認めた腺がん皮膚転移の2症例について報告した。ともに開口部の近接部には大小の隆起があったが、用手形成皮膚保護剤によって貼付平面を確保することで装具を安定して装着できた。また、転移部の臭気に対しメトロニダゾールが一定の効果を上げた。両例とも予後不良であり、このような症例への包括的支援、および専門外来の重要性が示唆された。
  • 持田 裕子, 馬場 由佳理, 新井 康介, 井上 玲, 細谷 嘉行
    2011 年 27 巻 2 号 p. 45-51
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
     目的:ジメチルイソプロピルアズレン(アズノール軟膏以下、アズノール軟膏)に増粘剤であるカルメロースナトリウム(カルメロースナトリウム原末以下、CMCNa)を添加した軟膏を、消化酵素を多く含む水様性排泄物が付着する皮膚に用いることにより、痛みの緩和と発赤、糜爛、潰瘍の改善に有用であるか否かを検討した。
     方法:CMCNaの配合比率を変えた3種類の軟膏を作成し、4症例に使用した。
     結果:4症例において、発赤、糜爛、潰瘍は改善した。また痛みの軽減も図れた。
     考察:CMCNaの配合調整をおこなったアズノール軟膏の使用により、発赤、糜爛、潰瘍は改善した。様々な排泄状態に最適なCMCNaの配合比率の調整の選択には、更なる症例の集積が必要である。
地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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