2016 年 32 巻 2 号 p. 7-20
本研究の目的は、炎症性腸疾患(IBD)患者を対象にセクシュアリティ満足度指標(SEXSI-IBD)を開発し、信頼性と妥当性を検証することにある。SEXSI-IBDは、「セクシュアリティは個人の性的特性と性的パートナーとの相互作用である」とする操作的定義に基づいてる、セクシュアリティの構成要素と具体的な現象から開発された質問紙である。郵送による調査を実施し因子分析した結果、5因子(日常の相互作用、性的コミュニケーション、性行為の困難度、性行為への関心度、スキンシップの重視度)になった。SEXSI-IBDの信頼性は、高い再現性(test-retestの級内相関係数=0.95)と高い内的整合性(Cronbach's α=0.94)があり、妥当性は、夫婦関係満足尺度との十分な相関関係(r=0.68)で確認することが出来た。SEXSI-IBDはIBD患者の性的満足を妨げる因子の特定や、カウンセリング効果判定に活用可能性がある。しかし、IBD患者特有の項目がないことと、信頼性・妥当性研究で、開発研究と同じ患者を使用しているという問題がある。