日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
32 巻, 2 号
32巻2号(通巻87号)
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
表紙
学会報告
学会賞報告
  • 槌野 正裕, 荒川 広宣, 山下 佳代, 石井 郁江, 山田 一隆, 高野 正博
    原稿種別: 原著
    2016 年 32 巻 2 号 p. 5-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

    【目的】排便に適した姿勢に関して、排便姿勢の違いが肛門直腸角(ARA:anorectal angle)と疑似便の排出量に及ぼす影響について検討したので報告する。

    【対象と方法】Defecographyを行った症例の中で、前屈座位と伸展座位によるARA、仙骨の傾きを撮影された静止画像から計測し、排便困難例では疑似便の排出量を比較した。

    【結果】ARAは伸展座位で114.1°±21.0°、前屈座位で134.6°±16.8°、仙骨の傾きは84.9°±10.8°、92.4°±10.7°、排出量は90.1g±82.0g、140.7g±93.3gであり、有意に前屈座位の方がARAと仙骨の傾きが大きく、排出量が多かった。

    【考察】前屈座位は骨盤が後傾し、仙骨はうなずくため、排出時にARAが鈍化し、排出量が多くなるため、排便に適した姿勢であると考えられる。

原著
  • Yoshiko MIKI, Atsuko MAEKAWA, Naohiro HOHASHI
    2016 年 32 巻 2 号 p. 7-20
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、炎症性腸疾患(IBD)患者を対象にセクシュアリティ満足度指標(SEXSI-IBD)を開発し、信頼性と妥当性を検証することにある。SEXSI-IBDは、「セクシュアリティは個人の性的特性と性的パートナーとの相互作用である」とする操作的定義に基づいてる、セクシュアリティの構成要素と具体的な現象から開発された質問紙である。郵送による調査を実施し因子分析した結果、5因子(日常の相互作用、性的コミュニケーション、性行為の困難度、性行為への関心度、スキンシップの重視度)になった。SEXSI-IBDの信頼性は、高い再現性(test-retestの級内相関係数=0.95)と高い内的整合性(Cronbach's α=0.94)があり、妥当性は、夫婦関係満足尺度との十分な相関関係(r=0.68)で確認することが出来た。SEXSI-IBDはIBD患者の性的満足を妨げる因子の特定や、カウンセリング効果判定に活用可能性がある。しかし、IBD患者特有の項目がないことと、信頼性・妥当性研究で、開発研究と同じ患者を使用しているという問題がある。

  • 茂野 敬, 安田 智美, 梅村 俊彰, 伊井 みず穂, 道券 夕紀子
    2016 年 32 巻 2 号 p. 21-27
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

    富山市内におけるオストメイト対応トイレのトイレマップを作成し、オストメイト対応トイレの設置状況及び設備の内容について調査を行った。調査対象は、富山市内36施設、57カ所であった。調査の結果、多くが市街地に集中し、公共機関に設置されていることや、施設毎で設備に差を認め、設置が容易であるにも関わらず、装具交換に必要な設備が設置されていない現状が確認された。これらは、オストメイト対応トイレに関する基準が明確でないことや、社会においてストーマ保有者への認識や理解の希薄さによるものと考えられた。よって今後、ストーマ保有者に関する認識が高まり、必要な設備が整備されていくことが望まれる。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
feedback
Top