日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
症例報告
腹会陰式直腸切断術11年後に外瘻化をきたしたS状結腸ストーマの1例
松野 裕介石丸 啓杉下 博基松本 紘典垣生 恭佑阿部 陽介久米 達彦谷川 和史桑原 淳菊池 聡秋田 聡竜田 恭介吉田 素平古賀 繁宏渡部 祐司佐藤 公一
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2019 年 34 巻 2 号 p. 8-12

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抄録

 症例は84歳、男性。直腸癌術後11年後に挙上腸管穿孔、膿瘍形成、そして外瘻化をきたし、手術治療を要した。瘻孔発生に関しては、クローン病、腫瘍性病変、慢性便秘による宿便、そして人工的な原因などはなく、特発性と考えられた。さらに本症例に関しては、皮下脂肪層の厚みの減少と、内圧上昇によるものと推察した。本邦のストーマ保有者は年々増加している。一方で、直腸癌術後の生存率も改善してきており、ストーマ保有者の長期生存が珍しくなくなってきている。ストーマの晩期合併症としてストーマ瘻孔も念頭に置く必要があると考えられた。

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© 2019 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
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