日本において近代的な工芸とプロダクトデザインのある部分が、いかにして「わび・さび」の審美眼に照らされてきたかを示すには、まずこの美学的思想を知る必要がある。茶会に由来する「わび・さび」は、静穏のムードをかもし出す、未完結で素朴な風体に秘められた美しさを認識させる。茶道具をとってもわかるように、現代の「わび・さび」の例は、大量生産されたものより、実験的でアーティスティックそしてオリジナルなものに多く見受けられる傾向にある。SD法を用いることで、現代のオブジェクトの中の「わび・さび」の要素は明らかになるであろう。