抄録
プロダクトデザインにおけるスタディモデルの場合、意匠を検証する研究事例が多い。その一方で機能・構造・人間工学などはコンピューターで検証されることが多く、制作されない場合も少なくない。しかしスタディモデルによる体感的検証はデザイン案に影響する可能性があり、特に車椅子や自転車のような直接的に操作・運転する機器においては有用であると思われる。本研究は構造体試作の一手法として、構造を伴うスタディモデルの実践的研究を行うことを目的としている。ここでは素材の堅牢性・加工性・軽量性・環境性に着目し、ポリプロピレン製中空構造プラスチック板(通称プラスチックダンボール)を使用し、車椅子・キックボード・自転車などの人力移動機器にて試作を行い、試乗による検証を行うこととした。結果として、実用に準ずる使用が可能であることが確認できた。特に負荷の高い二輪自転車の試作において10kmの走行が可能であったことから、構造モデルとして一定の強度を有することが判明した。また素材であるポリプロピレンの特性などを利用することで、部品の一体化による試作の簡略化・軽量化および強度向上が可能であることが確認できた。