日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第52回研究発表大会
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メディアアートの表現形式とその概念規定
*三井 直樹
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p. 38

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抄録

 本研究では、メディアの誕生から現代のマルチメディアまでの変遷を図式化することによって、メディアアートの体系化を試みる。さらにその表現形式を捉えながら、メディアアートに対する概念規定を提案したい。 第2次世界大戦後、再出発したテクノロジーアートは、後に新しいメディアアートを形成する母体となる。1970年代に入るとキネティックアートとライトアートを基盤として、TVやビデオなど映像メディアが加わったミックストメディアを中核とする新しい視覚表現を開拓してきた。80年代以降は、サイバネティックス性とインタラクティビティを獲得しながら、五感を動員させた体感アートに進化させてきた。 こうしてメディアアートは、20世紀美術の延長線上にある新しい芸術領域として認識されるようになるが、あくまでも芸術としての表現性や歴史的背景の視座から捉えた見方である。デジタルメディアが今日では既存の芸術領域だけでなく、TVゲームやCG、アニメーションなど、さまざまな周辺領域に拡大している。本稿は、このメディアと美術の関係について着目し、その表現形式の変容を通じて、新しいメディアアートの概念と枠組みを明確にする。

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© 2005 日本デザイン学会
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