抄録
昨年世界遺産に登録された熊野古道について、トランスパーソナル心理学的見地から研究を行った。トランスパーソナル心理学とは、近年興ってきた心理学であり、東洋の”禅(ZEN)"などに代表される、宗教的恍惚などを研究する学問である。今回、熊野古道が永きにわたって人々を引きつけた要因を解明しようとするにあたり、トランスパーソナル心理学において“聖地”の基準とされるキーワードをもとに考察を行った。熊野古道にまつわる逸話の中に、宗教的悟りに関するものがいくつも見いだされたからである。熊野古道は大きく分けて3つのルートがあるが、現地調査として、三重県にある“伊勢路”を徒歩で調査した。“伊勢路”は主に庶民が使った道である。その一部である、熊野古道波田須道をムービーとして撮影し、実験に用いた。実験は被験者からプロトコルを引き出し、その結果を解析するといった手法を用いた。その結果、いくつかの要素が人に影響を与えている可能性があるという結論に達した。