抄録
本研究は日本語教員用web教材サイトの現状の問題点を明確にし、教材を活用する具体例の提示を目的としている。情報教育などの先行研究を調べた結果、学習者の特性に配慮した教材活用とデザインプロセスとの間に次の共通点を見いだした。(a) 多様な行為の連鎖をループしながら、気づきを得ていくこと。(b) 学習者の目を通じて気づきを得ることや、対処すべき問題を顕在化させるために常に学習者の特性の把握に配慮すること。 以上に着目し、デザインプロセスから分析を行った。分析指標はHeuristic Circuitデザイン×情報学のアプローチを用いた。分析対象は文化庁の調査研究から抽出し、11サイト2004項目を対象とした。その結果、問題点として次の5点を導いた。(1) 教材を「見せる」行為が、他の行為との連携のもとで考えられていない。(2) 学習者への配慮を教材や授業に反映する方法が少ない。(3) 教材のフィードバックとして「対話」の位置づけが不明確である。(4) 授業案以外の教材は制作方法が不明確である。(5) 文法や会話に比べ、メディアの扱いが少ない。 以上の考察から、教員に対しWeb教材を有効に用いた学習場面を提示した。その具体例の検証として、日本語教員にヒアリング調査を行った。