生命システムとしてヴァレラとマトゥラーナによってオートポイエーシスと言う概念が提唱され、ニクラス・ルーマンによってオートポイエーシスの社会学への適応がなされている。一方、デザインは人工物に対して作業を行う行為であったが、近来、人間そのものの理解、人間の感性を把握した知織を基盤としたデザインの新たな方法論にまでデザインの対象、方法論の展開の範囲が広がってきている。 そこで、本来デザイナーに求められている未来(新たな経験)を創出するための創造性等、人間に与えられている機能を把握し、さらに人工物をデザインするための方法論を、人間と言う「生命」のシステムという立脚点から構築するための基本的なデザイン理論の枠組みを提供する