1873年に開催されたウィーン万国博覧会は、フィラデルフィア万国博覧会のわずか3年前の出来事であり、日本の明治政府が参加を決めた最初の万国博覧会であった。従って、ウィーン万国博覧会での経験はフィラデルフィア万国博覧会にも生かされ継承されていたのではないかと考えられる。 ウィーン万博はヨーロッパで、フィラデルフィア万博はアメリカで開催された地理的な相違はあるが、海外における日本の参加という側面では意識的な違いはみられなかったのではないかという推測のもとに、二つの万国博覧会での継承連続性について、いくつかの出来事を通して考察した。