コンピュータが人間に優しい道具である為には、様々な分野からの改善が必要であるが、その中でインタフェースデザインの役割は大きい。インタフェースにおいて人間の感性を反映することができれば、コンピュータの操作性は向上し、ストレスの軽減にも繋がる。本制作では既存の絵画を用いて、実際には存在しない絵画的な空間を身体的に理解し、そのインタラクションの構造を体得するシステムを制作した。今後はより単純で記号的な画面変化や身体性を強く意識できるコンテンツ、あるいは実際の空間では体験できないような三次元空間感覚などを視野に、システムの改善と分析を計画する。現状ではこれらのコンテンツ制作のための、身体的な協調とインタフェースを相互検証は不十分である。しかし、ユーザにとって理解・操作のしやすいインタフェースは、デジタルデバイド対策といった社会的な要請にも優れた技術対策であると考える。