日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第55回研究発表大会
セッションID: E07
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災害時、命を守る排泄器具「くるまるくん」の開発
緊急時に車内で排泄に使用する簡易個室トイレ
*渡辺 俊生
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抄録

 地震など大きな災害が発生すると上水道は破損し、水洗トイレは使えなくなる。阪神淡路大震災では駅、公園など公共のトイレは地震発生後、すぐに糞便が溢れ返った状態に陥った。これは避難所も例外でなく、小学校などのトイレも同様な状況に陥る。仮設トイレが整備されるまでの3日~数週間、排泄をどのようにするかは生存を左右する大問題である。  新潟県中越沖地震では車中泊の女性がエコノミークラス症候群により亡くなった例が報告されている。プライバシーのない避難所での集団生活に馴染めず、トイレを我慢するために水分接種を控えたことが原因の一つにあげられている。  中部デザイン研究所は2005年5月、カネコ産業株式会社より依頼を受け携帯トイレの開発に取組み昨年11月、自動車内で排泄が可能な簡易個室トイレ「くるまるくん」(写真1~3) を商品化した。 「くるまるくん」の商品化は多くの新聞に紹介された。商品化と情報提供により、災害時の排泄手段を確保することの重要性について広く認知して頂ければと願っている。

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© 2008 日本デザイン学会
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