建築設計者は物理セキュリティ設備の計画・設計の多くを担っているが、今日の急速な技術の発展、各種法律の規制強化等により、求められる能力等は、質・量の両面で急速に高度化してきている。しかも多種多様なセキュリティ製品が多量に存在しているため、建築設計者による物理セキュリティ設備の適切な計画・設計が困難になっているように見受けられる。そこで本研究では、建築設計者の物理セキュリティ設備基本計画・基本設計において、業務の効率化を図る業務プロセスデザインについて考察を行った。
本研究では、はじめに文献調査をおこなった。そして、次に物理的セキュリティ設備(物理セキュリティ設備と映像セキュリティ設備)の計画・設計に関して企業(建築設計者等)へのアンケート調査を実施し、文献調査の結果を検証するとともに、建築設計者のセキュリティ設備計画・設計業務の課題等を明らかにし改善策を考察した。
本研究では、基本調査の一つであるヒアリングに焦点をあて、その成果としてヒアリングシートの作成をおこなった。作成したヒアリングシート(プロトタイプ)は、建築設計者の設計業務の効率化を図り、業務負荷低減が期待できるものと考えている。