抄録
人工物デザインの方法論として, アナリシスにもとづく方法論とシンセシスにもとづく方法論の2つの方向性が存在し, その中で創発性は, シンセシスの重要な要素として注目を集めている. しかし, 要素還元的な方法で扱うことが困難な「何か」の担い手として創発性は注目されるが, 創発性の原理的考察, 特にデザインシンセシスの為の要素としての創発性を科学的に考察する動きは少ないように思われる. 本発表では, 自然界に見られる創発性と人工的にシミュレートされる創発性の例を示すことから始め, 現在の創発的デザイン方法の状況を概説する. そして全体性とのかかわりから, 今日の創発的方法の水準に言及し, 今後デザインシンセシスの方法として, 創発性にもとづく方法が発展するために必要な要件について主張を行う.