近年,社会構造の複雑化やニーズの多様化に伴い,人工物は大規模・複雑化した.その結果,人工物デザインの分業化・専門化が促進され,デザイン上流過程から下流過程までの連携が難しくなっているという問題が発生している. そこで、本研究では,デザイン上流過程から下流過程まで一連のデザイン過程を連続的に展開できる手法を提案することを目的とする.まず,デザインにおける視点としてデザイン理論のフレームワークである多空間デザインモデル[注1]に着目し,同モデルに基づき,デザイン上流過程から下流過程まで一連のデザイン過程を連続的に展開できるデザイン手法を提案する.つぎに,提案手法をデジタルコンポジションシステム開発の上流デザインへ適用することにより,手法の特徴を確認する.