日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第55回研究発表大会
セッションID: B12
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機内持込みサイズを目指した日本の伝統家具のデザイン的創造
*田中 隆充
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抄録

 岩手県の伝統工芸である岩谷堂箪笥を事例に、飛行機の手荷物として運搬でき、自国で日本の伝統家具を簡易的に組立てられるデザインを試みた研究である。  日本の伝統家具は居住環境の変化から国内の需要が伸び悩み、将来の海外輸出を視野にいれた取り組みが必要不可欠になり、デザインの創造的発想から伝統家具を提案する必要があると考えた。日本の伝統工芸のほとんどはエンドユーザー自身で組み立てることが出来ないため、職人が組上げた完成された製品のまま輸送している。近年の原油価格高騰や円高といった背景から、特に海外輸出においては従来以上に輸送コストがあがり、結果的に販売価格が高くなり販路拡大が難しくなっている。輸送コストが最も安い方法はエンドユーザーが機内に持込み運搬することある。本研究は、前述した機内持込が可能な組立式の家具を目指すことであり、そのサイズを将来的に実現するために岩谷堂箪笥をキット化し、エンドユーザーがより簡単に組み立てられる接合部品を開発し、伝統家具をデザイン試作することが目的である。また、本研究は二年間の産学連携共同研究を経て、科学技術振興機構(JST)の平成19年度シーズ発掘試験の研究の一貫で行った。

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© 2008 日本デザイン学会
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