抄録
デザイン学の研究対象は時代的な背景をもつデザイナーという職業の内容に関する問題と、それが登場してはじめて明らかになった、時代を超えて存在する人間の普遍的デザイン行為という二重の構造を持っている。今日、職業としてのデザイナーは、消費社会のプロモーターとしての役割を果たしてきたが、その結果として消費社会全体がもたらした地球環境悪化や資源枯渇というグローバルな壁に突き当たった現在、自らの時代性を批判的に自覚し、より普遍的な立場から人間生活全般のデザインを考えなければならない地点に来た。デザイン学はそのような事態を的確に把握し次世代のデザイン理論を構築すべきであると考える。