日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第57回研究発表大会
セッションID: C16
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中国・北京における音楽興行会場の現状
中国における音楽興行の空間演出に関する研究-その1
*渡邉 哲意
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抄録

中国では音楽興行の視聴ターゲットである若者の興味がこれまでの中国音楽か らロックミュージックへ急激に変化している。 日本のレコード会社の進出も進んでいるが、不正コピーなどの問題からCDなど の出版物による収入は期待できず、 興行から発展した出演料、音楽コンテンツの権利を生かした収入などに着目している。 これらはコンサートなどでのアーティストのイメージ作りを基準とした演出効果の発展であり、その演出成果が後の収入に影響していると考えられる。ここでの演出効果とは聴覚に影響する音楽だけでなく、目で見る視覚、体で感じる触覚など人間が感じるあらゆる感覚への作用であり、総合芸術としての空間デザインの領域である。 大人数収容の会場では日本と同様に照明・映写装置などを興行ごとに設置し演出を行なっているが、効果的な演出を行なっている例はまだ少なく、発展途上である。 その理由として照明・音響・映写などの演出装置を備えた小規模会場が日本と比べて極端に少なく、興行者、アーティスト、観客に演出の重要性が浸透していない事が考えられる。 本発表では中国・北京の興行会場についてその規模、設備、演出実施の現状について報告する。 今後は中国における音楽興行の空間演出ならびにその効果について実態調査を実施し、その結果から得られたデータを基に、中国の若者を対象としたロックミュージックにおける空間演出の特性抽出、さらに音楽興行における空間演出制作の方法の検討と提案を行う予定である。

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© 2010 日本デザイン学会
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