日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第57回研究発表大会
セッションID: F08
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棚橋源太郎による社会教育のための展示デザイン
大正期の東京教育博物館における特別展覧会をめぐって
*吉田 桂子
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抄録
明治維新以後、日本が近代化や世界戦争に向かって突き進んで行く混乱期に、作品その「モノ」よりも「モノ」を通じた「コト(情報、思想)」を伝達するために東京教育博物館(現在の国立科学博物館)で特別展覧会が開かれた。本論文では、その展覧会を企画・実現させた当時の館長棚橋源太郎をとりあげ、彼の展示デザインの思想を考察する。棚橋は博物館学の分野では非常に著名であるが、棚橋の行なった展覧会の構成についての研究は、従来デザイン史の領域においてはあまり省みられていない。本論文では、棚橋の行なった特別展覧会の中でも「時展覧会」について考察し、彼の情報を展示することの意義について論考する。棚橋は理科教授と博物館主事を兼務する事となり、その後欧米への留学し、海外の先駆的な展示手法に強い影響を受け、帰国後には新たな展示企画を打ち立てていった。自らも会員であった「生活改善同盟会」出品の展示パネルでは生活の合理化、儀礼の簡略化を目指した標準的身振りをイラストレーションによって視覚化し、展示の内容を再編集した雑誌『誌上時展覧会』も発行していた。
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© 2010 日本デザイン学会
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