過去の研究において,シートスウィング機構が力学状態量を考慮して最適化された.さらに,導出した設計解に対して生理学状態量への影響を解析した.しかしながら,力学および生理学状態量の両方を同時に考慮した設計解は導出されていない.そこで,本研究では,力学状態量は,尻滑り力を0Nに抑えること,生理学状態量は,下肢の皮膚血流量の減少を0Nに抑えることを設計目標に,シートスウィング機能の設計解の導出を行った.その結果,尻滑り力の軽減を優先した設計解は,過去の研究で導出された尻滑り力防止曲線に近づき,皮膚血流量の減少の軽減を優先した設計解は,クッションアングルが0Nに近づく設計解となることを示した.