日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第58回研究発表大会
選択された号の論文の222件中1~50を表示しています
  • ジュライラ アブドル ラハマン, 古屋 繁
    セッションID: A01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザイナーと消費者のデザインに対する理解、考え方や社会的立場の違いによって、デザインの評価を複雑にしている。本研究は、顧客満足度指数を多様化・多層化するデザインに呼応した評価への応用の可能性を検討する。収集したデータは主成分分析と構造方程式モデリングで分析した。被験者の回答では、多様な判断基準が混在しているためか全体相関関係の高くなった。デザインの顧客満足度指数モデルから見ると、要因間の関係性は示せたものの全体の適合度はあまり高い結果とならず、調査項目の見直すが必要であることが分かった。
  • 小谷津 のぞみ, 山崎 和彦
    セッションID: A02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
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     現在のもの作りでは、商品的な成功や、ユーザーにとっての使いやすさを目指す手段として人間中心設計の考え方が多く用いられるようになっている。人間中心設計の考え方を用いると、技術の種が開発されてから、その使い道を考えるアプローチであるシーズ指向と異なり、ユーザーのニーズを探る事が出発点となる。このことで、開発された機器やシステムが何のために必要なのか分かりやすくなり、技術を真に活用する事ができ、ユーザーにとっても使いやすいものになる。この考え方は、ユーザーのニーズ(嬉しいと感じる事)とモノの必要性に基礎を置いたアプローチであり、ひとつのものに対して複雑な操作が必要とされ、個人のニーズが多様化している現代にとって重要な考え方である。  記憶には1.感覚記憶、2.短期記憶、3.長期記憶の3種類がある。このうち、長期記憶に含まれる、エピソード記憶が思い出と言われている。エピソード記憶は言葉で説明でき、個人体験や出来事についての記憶である。感情と記憶の関係は複雑だが、一般に強い感情と結びついて記憶されたイベントは後々まで記憶され続ける傾向があると言われている。このことから、嬉しいと結びつく思い出からモノを提案する事で、ユーザーのニーズを満たす、嬉しいものを作れると考える。  本研究では、従来の人間中心設計のユーザーのニーズを基礎とした考え方に加えて、思い出から嬉しい出来事を抽出し、ユーザーにとって嬉しいものを提案する手法を確立することを目的にしている。更に、その提案が嬉しいものであるのかという評価を行う事で、手法の検証を行う。方法としては、先行研究を調査し、その方法を実践する。作品を制作しながら、先行研究の改善案として手法を提案し、評価を行う。
  • 三丸 拓也, 山崎 和彦
    セッションID: A03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
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     本研究の目的はプロダクトデザインにおけるメタファの効果・役割を解析し、より効果的なメタファの利用のための発想支援法を提案することである。  研究の方法として、メタファに関する先行研究の調査、既存製品の分析からメタファの効果的な利用法や分類論を研究する。形・概念・動作の3つのメタファの利用パターンが発想支援に有効であると仮説し、実証実験を行った。評価を行い、概念を利用したメタファが新規性のあるデザインをする上で有効的であると考えられる。しかし、新規性のあるコンセプト作り、アイデア出しには有効であることがわかった。
  • 稲葉 貴志, 山崎 和彦
    セッションID: A04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     経験経済やユーザーエクスペリエンスという言葉が普及し始め、人々も物の豊かさから質の豊かさを求める時代にシフトしている。それに伴い企業ではイノベーションの重要性が認識されるにつれ、デザインの重要性もましてきた。  そこで本研究ではデザインプロセスにおける、前半段階に着目し、シャドーイングによる観察調査を対象とし、イノベーションに適したユーザ調査結果の分析手法の提案を目的とする。  現在までの研究過程として研究対象の定性的調査結果を得るために調査方法を検討し、シャドーイングとフォローアップインタビューを行った。次に調査結果をテキストデータに書き出した。書き出したデータを基に、要求価値分析、KA法を行い、2つの分析結果をバーン・H・シュミット氏が提唱した5つの経験価値分類から視て分類を行い、まとめ、問題点、気づきをまとめた。
  • 新井 青磁, 山崎 和彦
    セッションID: A05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
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     現在ではタッチインターフェースは銀行のATMや駅の券売機などのパブリックユースの端末に加えて、ゲーム機、携帯端末などパーソナルユースの端末にも盛んに導入されている。 ユーザーの求める操作インターフェース、及び企業の傾向としてCUI→GUI→PUIのように主流となるインターフェースが移り変わっている。その一方で、これらを開発する段階で使用するプロトタイプ手法には大きな変化が見られないことが、これまでの調査からわかった。移り変わる主流インターフェースに対応して、より効果的なプロトタイプ手法を考案すべきなのではないかと考え、研究に取り組んでいる。 提案する手法はラピッドプロトタイプ(ペーパープロトタイプ)・デジタルプロトタイプの段階で、操作状況を多角的な視点(俯瞰・手元・全体)で撮影し、プロトタイプの画面と同一の画面で映像を観察という方法で、被験者を募り評価実験を行った。
  • 永井 由美子
    セッションID: A06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は2009年から行っている「写真を見ることのデザイン」授業実践を基にしている。授業では写真を楽しんでみるための道具のデザインを課題としており、学生自身の経験を基にデザイン案を提案している。ここでは次の7種類の表現を使っている。A作文を描く、Bシナリオスケッチを描く、C道具のアイデアスケッチを描く、E操作画面のシナリオスケッチを描く、F画面遷移図を描く、G機能リストを書く。これらの表現の難しいところは、次の3点である。1具体的な事例を描くこと、2自分の経験を描くこと、3シナリオスケッチを描き直すこと。ここで需要な点は、シナリオスケッチを描くことでありそこには、ユーザーの行為と思いが文字としても含まれている。これはスケッチなので何回も描くことが重要となる。
  • 安齋 利典, 大矢 富保, 粕谷 俊彦, 磯西 徹明
    セッションID: A07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    「企業ウェブサイトにおけるデザイン最適化に関する研究-その2、3」(日本デザイン学会 第57回研究発表大会2010.07.04)でHCD:Human Centered Design(人間中心設計プロセス)と.ISMS:Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)をオフィシャルサイト構築の基本方針であることを述べた。 本報告では、コンテンツ配信の基礎基盤となるデザインされたコンテンツを支えるのがシステム・インフラであり、それを、安定、安全、安心に運用するために、PMO: Project Management Officeによるシステム・インフラ管理とCMSによるコンテンツ/デザインの管理、質の向上等について述べる。
  • 小川 直茂, 三上 訓顯
    セッションID: A08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     昨今の高齢社会が進行する情勢を受けて、「生活の質(Quality of Life=QOL)」につながる要望として、人間の健康を支える医療サービスについての関心が日々高まりを見せており、様々な取り組みが行われているが、利用者目線での使い勝手などについては、よりいっそうの改善の余地が見込めるように感じられる。このような状況に対して、筆者はアイディアスケッチやモックアップモデル等を元に柔軟な発想を展開して具現化するデザイン開発手法が有効性を備えていると考える。このため、本研究は、具体的な調査テーマとして「薬剤の服用」を取り上げ「薬剤を服用する上でどのようなデザイン上の課題があるのか」について調査を行い、その課題内容を抽出することを目的としている。  ブレインストーミング法およびKJ法を用いて調査を実施した結果、薬剤の服用を取り巻く課題として6つのカテゴリを発見することができた。さらに、薬剤包装や薬剤情報表現、服薬管理など、複数の具体的課題を明らかにすることができた。
  • 生田目 美紀, 北島 宗雄
    セッションID: A09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、インターネット上で公開されるインタラクティブな学習教材を、様々な知覚特性に対応できるようなデザインにするために視線計測実験を行った結果を報告する。 音声情報の入手が困難であるがイメージ情報の処理に優れたユーザーである聴覚障害学生を対象に、タイムラインオーサリングソフトウェアの使い方手順を学修させる動的教材を試験的に開発した。この教材は、はじめに教材の動きと吹き出し式の注釈がを見て、内容と手順を理解してから、実際にワークスペースを使って同じように実習してみるという使い方を想定している。学習者は理解できるまで、自由にコンテンツをプレイしたり停めたり巻き戻すことができる。 我々は、聴覚障害学生20人、健聴学生20人を対象に、この教材の実際の使われ方を視線計測によって確認する実験を実施した。その結果、吹き出し式注釈を聴覚障害学生は、デザインする側が計画していたほど利用していないことが分かった。
  • 平本 磨音, 古屋 繁
    セッションID: A10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究はインタラクティブな操作を通して、操る楽しさを得られるツールの開発をおこなうための、ゲームにおけるプレイヤーとゲームとの枠組みの関係を明らかにしようとするものである。 現在の国内コンシューマーゲーム機の対応として問題視されていることはソフトの多様化である。多様化が典型的に表れているのがジャンルである。映像の描写や操作の方法に違いはあるが、プレイヤーは画面から得られる情報をもとに限られたコマンドを使って、ゲーム内のキャラクターを操り、様々な障害を克服していく。またそこには、おのずと定められた制約とルールがあり、それがゲームを複雑にし、克服したときの達成感を拡大していく。限られた能力(内的制約)のキャラクターと、その前に立ちふさがる外的障害がディスプレイからの映像として提供され、プレイヤーはインタラクティブな操作(人的要素)として人的要素として反映されている。つまり、ゲームという大きな枠組の中には_丸1_内的制約、_丸2_外的障害、_丸3_人的要素が存在し、それらが連続的に繰り返されることによって、一種の楽しみを創出していると考えた。 
  • 石田 貴昭, 山崎 和彦
    セッションID: A11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究はデザインプロセスにおいてよりスムーズなコミュニケーションのために視覚的効果の有効性を研究する。視覚化による新しいコミュニケーションの発見や従来のコミュニケーションを円滑に進める事が目的である。想定場面を最もコミュニケーションが重要視されるものづくりとする。さらにスピードという視点も考え、最もコミュニケーションに視覚化が有効に使われる方法を研究する。そして本研究を実際のデザインプロセスの中で活用する事を目的とする。
  • 熊澤 貴之, 齋藤 美絵子
    セッションID: A12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,まちづくりWSを企画及び実施し,その成果に基づいて市民協働作品を制作し,実際にまちに設置した.その後,市民協働作品の制作と設置がWSへの参加者と不参加者にどのような効果を与えるのか,さらには,シビックプライドをどの程度育むか,設置後のヒアリングによって把握した. その結果,まちに設置された市民協働作品の設置は,まちの魅力や将来像をWSへの参加者・不参加者を問わず,市民の対話を生み出すことが確認された.このような場を創出することによって,WSへの参加者・不参加者の溝が埋まり,市民の場に対する共有意識が醸成され,シビックプライドが育まれると推測される.
  • 福田 大年, 前田 弘志, 三浦 清隆
    セッションID: A13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン制作プロセスにおけるアイデア発想段階の言葉の重要性に対する理解促進の手段として、フィールドワークでの実体験をもとに言葉で思考し言葉で表現することを目的とし、講師にプロのコピーライターを招き札幌圏の学生向けに開催した、筆者らが所属する団体「札幌メディア・アート・フォーラム」(以下、SMF)のイベント「SMF2010コトバ・ワークショップ」(以下、コトバWS)について報告する。
  • 金箱 淳一, 蛭田 直, 原田 克彦, 高尾 俊介, 佐竹 裕行, ジェームズ ギブソン, 赤羽 亨
    セッションID: A14
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザインプロセスにおいて、製品開発や作品制作を行う際に、思考を図によって外化する方法としてアイデアスケッチが存在する。アイデアスケッチは、自己のアイデアを外化し、また他者とイメージを共有する際に有効と考えられるが、スケッチの手法は確立されているものが少ない。その結果として、自分が書いたアイデアスケッチを見てもその内容を思い出せない、また専門領域の異なる者同士がスケッチを行うときに、描画力の差がアイデアの質に大きな影響を与えてしまったり、コンセプトが正確に解釈されない等の問題が考えられる。  上記問題に対して、筆者らはアイデア記述にいくつかのルールを定めることによって、スケッチ初心者にも習得し易く、正確にアイデアの記述を行える「Interactive Sketch」を提案する。本手法はアイデアを記述する際の道具及び手法に一定の制約を与えることでデザイン上の統一を図り、1.画力からくるアイデアの質差を解消する、2.アイデアのコンセプトを他者に正確に伝える、3.他人のアイデアを自分のアイデアの向上に役立てることが目標である。
  • 武田 光正, 蓮見 等, 山幡 大祐, 山内 一広
    セッションID: A15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    社員が利用する事を目的として事務処理業務のプロセス管理を行う為のシステム開発が社内で行われた。その中の新しい試みとして、本システム開発ではデザイナーを中心とした体制での開発が実施された。本稿では詳細なデザインプロセスの紹介は割愛するが「どうしてこのシステムができたのか?」に該当する設計の際の拠りどころとなった
      『1.「設計指針」立案までのプロセス』を、設計活動を促進する事となった
      『2.「表現モデル」というビジュアルアウトプット』を。そして
      『3.本システム(TaskPalette)の全体像』を紹介する。
  • 高尾 俊介, 原田 克彦, 金箱 淳一, 蛭田 直, 赤羽 亨
    セッションID: A16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    速度を重要視されるような物理的な試作における記録は軽視されがちで、制作過程の懸念事項や変更履歴を他者と共有・参照することが困難である。 本研究では、その現状を踏まえ、チームプロジェクトにおいて行われる物理的な試作(プロトタイピング)の過程を、ソフトウェア開発におけるバージョン管理の概念を援用し、統一的な方法で撮影されたビデオと写真をデジタル・アーカイブ化することを目的とする。 また同時に、そのシステムを利用しながら、メンバー間でデータを共有して開発を行う新しいデザインプロセス手法の確立を目指す。  このデジタル・アーカイブ化を実現するために、カメラ、回転テーブルと照明を用いた試作品を360度から撮影するシステムと、撮影された動画を順次閲覧するためのソフトウェアを開発した。このシステムを実際にデザイン作業時に運用したところ、アップロードされた動画を閲覧した他メンバーからの反応を即座に次の試作に反映させるなど、プロトタイピングの迅速性を阻害することなく、複数人で試作過程を共有することが可能になった。本稿では、その詳しいシステム構成と、実際のシステム運用から得た考察について詳しく述べる。
  • 高見 知里, 小早川 真衣子, 家近 詠子, 須永 剛司
    セッションID: A17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    著者らは、美術館の来場者が展示を享受するだけにとどまらず、体験したことを表現する場と表現の意味や意図を言語化し、それらを使った新たな視覚表現を生みだす場「かえり道のアートスペース」を用意した。来場者が新たな視覚表現を見ることは、表現の価値を把握、新たな表現活動の動機づけにつながり、更なる来場者の表現が生まれることを支えた。 本稿では、 生成された表現活動とそれを支えた仕組みを紹介する。
  • 家近 詠子, 高見 知里, 小早川 真衣子, 濱崎 雅弘, 古堅 真彦, 須永 剛司
    セッションID: A18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    表現ネビュラは、人々の創造的な表現活動経験を支える為の視覚表現ツールである。 このツールは人々の表現物の関係性を視覚化することによって、表現活動のふりかえり、自身の表現物の意味、価値を見いだす事を手助けする。 ネビュラには、表現物をシステムに登録する為の登録システム、属性を表現物に付与することのできる入力システム、そして、その2つのシステムを用いて表現物が属性によってネットワーク図、幾何形体となり、視覚表現をする関係性表示システムが存在する。 本稿では、表現物に付与された属性の共起関係によって表現物の関係性が表示される関係性表示システムについて述べる。 第14回メディア芸術祭において表現ネビュラの実践を行った。
  • 堀江 祐介, 山崎 和彦
    セッションID: B01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    現在、電子書籍を使う人が増えてきている。電子書籍は機器ごとに使い方が違っている。そこで今回は電子書籍端末として様々なアプリが出されているiPadの電子書籍を対象にユーザビリティテストを行った。3つのアプリを対象に4人の被験者で実験を行った。もっともタスク実行時間が短かったのはiBooksである。次にi文庫HDで、最もタスク実行時間が長かったのはstanzaである。ユーザビリティ評価から以下の6つのことがわかった。1.ツールバーは常に表示する 2.メニューにはアイコンと文字の両方を使うことでわかりやすくなる 3.本のメタファーは適切に使用する 4.ユーザに適切なフィードバックを与える 5.視線の移動を少なくするUIにする 6.使用頻度に応じた情報構造にする
  • 石井 俊行, 柳澤 秀吉, 高野 将充, 戸崎 幹夫
    セッションID: B02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    ユーザ観察は製品開発プロセスの上流段階において,アンケート等の調査手法では抽出できない言語化困難な要求や,ユーザによって意識化されない潜在的な要求を探り出すための有力な手段の1つである.ユーザ観察は,ユーザの無意識的な行動や,ユーザと人工物や環境との関わり合いを手掛かりとしてデザイン課題を抽出することを目的とする.ユーザ観察の有効性は観察者の経験やスキルに依存しており,観察者の能力によって抽出できるデザイン課題は大きく異なる.またユーザ観察は多くの時間と手間を要するにもかかわらず,技術的な支援があまり行われていないのが現状である.本研究ではユーザ観察の現場調査に基づいて,ユーザ観察時の事象の記録,および観察事象の共有を支援し,デザイン課題の抽出効率を向上させるシステム(Digital Tag Pad)の開発を目的とする.オフィス居室内における複写機の使用状況の動画像の観察実験を通じて,開発したシステムの有効性検証を行った.評価実験の結果から,Digital Tag Padが認知的負荷の高い観察事象の記録,事実に基づいた共有を行う回数の向上,および他者の観察記録への理解度向上について有効性を示した.
  • 佐々 牧雄, 福山 恵理, 小野 健太, 小原 康裕, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: B03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、それまでは紙媒体が主流であったものが、デジタル化、ひいてはウェブ化され、情報の入力・伝達が電子化されている。この傾向は、サービスの申込フォームにも見受けられる。その一方で、高齢者層を中心とするパソコン非利用者がいることから、紙とデジタルメディアは、今後しばらくは平行して存続すると考えられる。
    本研究は、サービスの申込み場面における紙又はウェブ上の申込フォームに着目したものである。申込フォームを利用する際に、そのデザインの「分かりにくさ」「記入のしにくさ」に起因する間違え、記入漏れなどが頻繁に起きていて、その修正のため、全体では、莫大な時間的、経済的損失が発生している。
    本研究では、情報デザインに精通したデザイナーの介在の少ない申込フォームの分野において、最低限の利用品質を確保するため、デザイン・ガイドラインを構築した。ガイドラインは、既存の申込フォームを用いて、ユーザーテストを実施し、その中でユーザーがとった行動を分析しながら構築した。
  • 福山 恵理, 佐々 牧雄, 小野 健太, 小原 康裕, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: B04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、「その1」と連続している研究で、「その1」で構築したデザイン・ガイドラインを検証し、その有用性を証明するものである。まず、既存の自動車保険申込フォームに対して、ガイドラインに基づき、デザイン改善を行い、プロトタイプの提案を行った。 そして、既存の保険申込フォームに対して、プロトタイプのデザインの改善ができているかを検証した。
    検証方法として、ユーザビリティの分野で多く用いられているパフォーマンス測定を採用し、デザイン改善前後で、タスク達成率とタスク達成時間を計測した。検証は、良好な結果を示したので、ガイドラインの有用性を示す事ができた。
    また、ガイドラインは、紙とウェブ用のものを並列に構築したため、紙とウェブの中間的な存在であるPDFに着目し、「PDF帳票」という新たな概念を提案する。ガイドラインに基づき、提案した概念を、プロトタイプとして具現化した。出来上がったプロトタイプに対して、再度パフォーマンス測定を行い、提案したサービス申込フォームの使いやすさが、他の媒体に比べ、向上したことが明らかになった。
  • 北村 武士, 加藤 健郎, 松岡 由幸
    セッションID: B05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    過去の研究において,シートスウィング機構が力学状態量を考慮して最適化された.さらに,導出した設計解に対して生理学状態量への影響を解析した.しかしながら,力学および生理学状態量の両方を同時に考慮した設計解は導出されていない.そこで,本研究では,力学状態量は,尻滑り力を0Nに抑えること,生理学状態量は,下肢の皮膚血流量の減少を0Nに抑えることを設計目標に,シートスウィング機能の設計解の導出を行った.その結果,尻滑り力の軽減を優先した設計解は,過去の研究で導出された尻滑り力防止曲線に近づき,皮膚血流量の減少の軽減を優先した設計解は,クッションアングルが0Nに近づく設計解となることを示した.
  • 加藤 健郎, 木村 優, 松岡 由幸
    セッションID: B06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    多様な環境において製品の頑強な機能を確保するための方法論であるロバストデザインの必要性は高まってきている.ロバストデザイン(特にタグチメソッド)は,製品の機能のばらつきを低減する方策として最も有名な手法の1つである.しかし,ロバストデザインに関する研究は計算効率に主眼を置く傾向があるため,ロバスト性評価の正確性の低減が懸念される.本稿では,ロバストデザインの歴史と近年の動向を紹介するとともに,ロバストデザイン研究における課題と,同研究における今後の方針について考察する.
  • Shiuan-Ruei Yang, Yu-Hua Huang
    セッションID: B07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は小売業者がファッション衣装を仕入れる際に用いられた選択項目を調査するのが目的であり、2011年3~4月に、大台北地域にある10軒の小売業者をインタビュー調査した。調査結果からファッション衣装は「ファッション型」と「基本型」の二種類に分けられ、ファッション型が販売の主力と見られた。キーワードを分類した結果から、「素材」、「色彩」、「アイテム」、「ファッション」など十一つの選択項目を抽出し、これらの選択項目に基付き、ファッション型と基本型の衣装を提案した。ファッション型のポイントは、「素材」は綿、「色彩」は黒色、「アイテム」は丈長Tシャツとレギンス,「ファッション」はイタリアの流行傾向、「造形」はシャープライン、「スタイル」は雅致である。基本型のポイントは、「素材」は綿、「色彩」は黒色、「アイテム」はタートルネックセーター、「ファッション」はイタリアの流行傾向、「造形」はシンプルなラインと柄、「スタイル」は素朴である。研究結果からファッション型では、流行傾向と体のラインの修正効果が重要であり、基本型では、簡単なラインとコンビネーションのやすさが重要であることを発見した。そのほか、多くの小売業者は価格、サービスなどの項目も提出した、これら問題はの今後の課題となる。
  • 宮田 悟志, 松岡 由幸
    セッションID: B08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    創発は, 自明な局所ルールからボトムアップ的に非自明な大域現象が生成される性質であり, 実世界システムの有する特性として注目されている. また, デザイン分野においても,創発はデザイン手法の新たなパラダイムとして期待されている. 筆者らは, 形状生成へ創発を適用する基礎研究をこれまで行ってきた. 本稿ではその応用の一つとして, スケッチを描く事と, その構造力学的な挙動の観察が同時に行える電子スケッチブック構想について述べる.
  • 東 大輔, 亀井 宏晃, 濱地 剛尚, 石井 明
    セッションID: B09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    自動車が誕生して125年以上が経過し、スピードを追い求めた開発黎明期と現代では自動車を取り巻く環境が大きく様変わりした。地球温暖化、環境破壊、化石燃料の枯渇などの問題が深刻化し、各自動車メーカーはエネルギー効率に優れた燃費の良い自動車を開発しなければ市場から追放される厳しい時代になったと言える。そのため、デザイン開発においてはデザイン性と空力性能を高次元で融合させる開発をしなければならず、各自動車メーカーは多大な労力・コストを費やしている。我々はこのようなデザイン開発をサポートする自動車空力デザイン支援システムの構築に向けた基礎研究を行っており、これまで、システムに学習させる知見を収集する目的で2Dおよび3Dの「セダン」モデルを用いたデザイン評価分析を行い、空力性能に敏感な部位の形状変更がデザイン評価にどのような影響を与えるかを調査・分析してきた。本研究ではさらなる知見の拡充を目指し、3Dの「クーペ」モデルに対するデザイン評価・分析を行う。また、空力デザイン支援システムに組み込むCFD(空力シミュレーション)システムの初期検討も実施する。
  • 江原 琴音, 笠松 慶子
    セッションID: B10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、創造性に関して認知的な側面からアプローチした研究である創造的認知に基づき、創造する力を養う方法について研究を行うものである。本報告では、遊ぶ方法による創発性の創出に着目し、遊び方の提案を行うこととした。創造的認知によるアプローチは、創造的な行為や創造的産出物に貢献する特定の認知的過程や構造を同定するものである。創造的認知の発明先行構造の特性の一つである創発性とは、予期しない特徴や関係が出現する度合いを意味している。また、創造的発明実験におけるプロセスの中でも創発性が確認されている。そこで、本研究ではこの創発性の創出に成功した手法を参考にし、造形を用いた遊ぶ方法に取り入れた場合でも創発性が体験できるかどうかを調べた。実験方法としては、実験参加者に本研究で提案した遊ぶ方法に従って遊んでもらい、さらに創発的特徴と楽しさに関するアンケートを実施した。その結果、今回提案した造形を用いた遊ぶ方法においても多くの場合において創発性が体験でき、楽しいと感じることのできる遊ぶ方法であることが示唆された。
  • 松井 俊太郎, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: B11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン上流過程における大域的なデザイン解探索の支援のため,創発の概念に基づく多様解導出システムが提案されている.現在までに,多様解導出システムは車体フレームなどの静的な人工物デザインに適用され[注1],多様なデザイン解導出に対する有効性を確認している.このような静的な人工物デザインに加えて,多様な動的挙動を生成することが可能となれば,形状変化を行うロボットや振動を用いた動的な人工物のデザインへの発展が期待できる. このような背景から,本報では多様な動的挙動を生成可能な多様解導出システムの構築に向けて,多様解導出システムにおけるボトムアップ過程を用いた多様な動的挙動を生成可能なアルゴリズムを提案した.さらに,生成された動的挙動とシステムパラメータとの関係を解析し,多様な動的挙動を生成可能な多様解導出システム構築の一助とした.
  • 水町 悠貴, 関口 光洋, 森川 洋, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: B12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン過程は,概念デザインや基本デザインが含まれるデザイン上流過程と,詳細デザインを含むデザイン下流過程の2つに大別することができる.上流過程においては不明確なデザイン目標や制約条件のもと,デザイナーの経験に基づく知識や直観を用いて,試行錯誤的に広い解空間から多様なデザイン解の探索が行われる.そして,下流過程においては明確化されたデザイン目標や制約条件のもと,狭い解空間から合目的に唯一のデザイン解の探索が行われる.上流過程におけるデザイン解の導出方法は,いまだその多くをデザイナーの直観に依存しており,大域的な解探索を可能とする数理手法や,それを前提とした逆問題の解法を可能とするデザイン研究の進展が必要とされている. 本報では,このようなデザイン上流過程とデザイン下流過程に適用可能な人工物デザインである「創発デザイン」と「最適デザイン」の概念を示すとともに,「創発デザイン」の人工物デザインへの応用である多様解導出システムを示す.
  • 浅沼 尚, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: B13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    人工物の複雑化や,人工物の周辺である場(ユーザや環境など)の多様化にともない,デザインにおいて検討すべき要素は拡大の一途を辿っている.膨大なデザイン要素の検討では,的確なデザイン思考ができずデザイン解への収束が難しくなる可能性などが考えられる.そのため,様々なデザイン環境下において適用可能な包括的観点を導入し,デザイン要素を適切に整理したうえでデザイン展開を進めていくことが必要である.さらに,膨大なデザイン要素の存在が制約となることで,局所的なデザイン展開が行われる可能性が増加し,新規性のあるデザイン解の導出が難しくなることも考えられる.一般に,新規性のあるデザイン解は,多様なデザイン案を発想するボトムアップ型の展開と,デザイン案の完成度を高めるトップダウン型の展開を双方向的に行うことで導出される.前者には発想法,後者には分析法の活用が有効であると考えられ,両者を適切に活用することが新規性のあるデザイン解の導出に必要である.以上の背景から,本研究では,デザインにおける包括的な観点を導入したデザイン展開を発想法と分析法の適切な活用により進めることで,的確なデザイン思考および新規性を有するデザイン解の導出を行う新しいデザイン法を提案し,デザインにおける場や状態の変動が異なる2つの事例を選定し適用を行った結果,提案したデザイン法が的確なデザイン思考および新規性を有するデザイン解の導出において活用される可能性を示した.
  • 伊豆 裕一, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: B14
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     近年注目されるイノベーション思考において,創造力や発想力が注目されている.本研究ではそのなかで,商品の概念やイメージなどを具体的な形に可視化するデザイナーの発想方法に焦点を当てる.多くのデザイナーはデザインの発想にあたってスケッチに代表される表示技法を活用している. しかし,透視図法などの技法や,陰影表現などの表現手法は継承されるものの,スケッチの機能に関する科学的な研究は少ない.  本研究は,デザインの発想過程におけるキーワード(言語)による発想と,スケッチ活用による発想の関係の解明を目的とする.そのために,デザイン過程において発想されるキーワード,スケッチの活用方法,および描かれるスケッチの関係を分析する.さらに,デザイン理論の枠組みである多空間デザインモデルに基づき,デザイン発想におけるスケッチの役割の考察を行ない,スケッチの活用による外観展開数やキーワード数に影響を及ぼす可能性を示した.
  • 佐藤 浩一郎, 高野 修治, 松岡 由幸
    セッションID: B15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    18世紀の産業革命以降,デザインの分業化・専門化は,同じ土俵を持たないことによるデザインの言語や概念,価値観などにおける差異を生じさせ,デザイン情報の共有や協調デザインにおける難しさという課題を生み出した.そして,大規模事故の発生,大量廃棄による環境問題,精神的な充足の必要性など,デザインが引き起こした多くの問題に対し,統合的な対応をせまられる状況となっている.さらに,21世紀のデザインは,これら現存する多くの諸問題に加えて,将来の社会変化により顕在化する問題への対応が求められることから,現在と将来の問題に対応する新たなデザイン方法論が必要になると考えられる.  本報においては,一般性を有するデザイン理論構築の一助とすべく,デザイン理論の枠組みとしての多空間デザインモデルを提示した.また,デザインという人間の創造的行為を理論的に説明する新たな科学である「デザイン科学」における位置づけとデザイン推論の枠組みとの関係を明示した.さらに,現在と将来の問題に対応する新たなデザインの方向性として,タイムアクシス・デザインを示した.
  • 高野 修治, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: B16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    サステナブルな社会の実現や新たな価値の創生に向けて,21世紀のデザインには,多様な場や価値観の時間軸変動への対応が望まれている.しかし,従来のデザインは,時間軸変動を考慮する方法論を有さないことから,結果として,多くの人工物が使用時間の経過に伴い価値を衰退させるに至っている.この現状を打破する方策として,場や価値観の多様性およびそれらの時間軸変動に対応する新たなデザインのパラダイムとして,タイムアクシス・デザインが提唱されている.本研究は,タイムアクシス・デザインを具現化する価値成長デザイン方法論の構築を目的とし, 本報では,包括的な視点からデザインを捉えることができる多空間デザインモデルに基づいた価値成長デザインのためのタイムアクシス・デザインモデルを提案する.
  • 高橋 治輝, 柳澤 秀吉, 勇木 徳人
    セッションID: B17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    今日、製品音は騒音としてだけでなく、製品の魅力品質の一つと捉えられ、デザインの対象となりつつある。それに伴い、音のデザインに必要な指標を得るために感性評価実験が行われてきた。その多くは、人間と製品音の物理的属性との関係を明らかにすることに主眼が置かれている。しかし,製品音の知覚は、Loudness・Sharpnessなどの製品音の特性だけでなく、背景音にも影響される。また、製品を使用する文脈も、製品音の感性評価に影響する。
    本研究では、実験環境での感性評価実験の結果をより実環境での感性評価の結果に近づけることを目的とする。そのために、実験室環境と環境因子を付加した環境でどのように感性評価が変化するかを調べる。
    実験の結果、静音の製品音に対し背景音と文脈を考慮する必要性とその傾向を明らかにした。例えば、静音の製品音は文脈効果が存在すると、使用環境でより静かに聞こえることが分かった。これにより、静音の製品音は文脈によりさらにその魅力を増す可能性が示唆される。また、文脈による効果の大きさを製品音の特性(TNR)により制御できる可能性を示した。
  • 高辻 賢司, 柳澤 秀吉
    セッションID: B18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    製品表面のテクスチャにおいて,デザイナは視覚による期待と触覚による実感との差異から生じる印象の変化(以下,文脈効果と呼ぶ)を定量的に把握することが重要である.期待と実感が異なる場合,例えば「失望」や「期待以上」のように,触感評価に影響を与える可能性がある.本稿では,触感評価における視覚による事前期待の文脈効果およびその要因を明らかとする,テクスチャの触感評価手法を提案する.本手法ではハーフミラーを用いて視覚および触覚サンプルの仮想合成を行い,官能評価を実施する.官能評価の結果,ラフ集合の縮約計算を用いることで,文脈効果の要因となるテクスチャの物理属性の条件を抽出する.提案手法をプラスチック・シボサンプルに適用した結果の一例として,触り心地に寄与する因子である「乾いた」印象の文脈効果を発生させるには,視覚サンプルにおいて平滑面を使用すればよいことが明らかとなった.このように,本手法を用いて,目標とする文脈効果に対して,適切なテクスチャの物理属性を提供することにより,設計者は文脈効果をデザインすることが可能になる.
  • 落合 太郎, 枦山 恵里南
    セッションID: B19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    都市空間において、殺風景な空間では一様に長く感じるが、楽しい賑やかな空間では短く感じたり、逆に長く感じたりと時間経過の感覚が一様ではないことを体験する。このちがいはどこから生まれるか、その原因となる空間要素を抽出することを研究の目的とした。福岡都心にあって空間構成に特徴のある同じ距離でかつ信号待ちの影響を受けない4道筋を選定し、被験者に歩いてもらって実際の経過時間と感覚時間を計測した。空間本来の姿形状が現われるシャッターの下りた人気のいない時間帯と店舗が開店し空間に活気が現われる時間帯の2回とで時間経過の感覚を比較検討するため、日曜日の早朝開店前(I)と開店後(II)の2回をそれぞれの経路・同方向で実験計測した。感覚時間比を各通りで比較すると、開店後に数値が減少した道筋は川端商店街が最も大きく、次いで天神地下街となるなど店舗の空間整列が画一されやや単調感のある道筋に比べて、タイムスリップ感すらある特色ある店舗・商品構成の道筋により関心が高まった。それぞれの空間要素の程度や構成が道筋で異なっていることがそれぞれの被験者の情緒のあり方の加減に影響を与え、今後の研究課題の仮説が確認された。
  • 川西 翔樹, 加藤 健郎, 松岡 由幸
    セッションID: B20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン対象の機能は,デザイン対象とその周辺環境である場の関係に依存するといわれている.デザインという創造的行為における法則性の解明と,デザイン行為に関する知識の体系化を目指すデザイン科学を構築するためには,デザインにおける場について,デザイン場としての学術的な概念を確立する必要がある.場の概念は,デザインだけではなく様々な学術領域で用いられている.デザイン場構築の際に,これらの場の概念が参考になると考えられる.本研究では,デザイン場の構築を目指し,デザイン行為を包括的に論じることができる多空間デザインモデルを用いて,他の学問領域(物理学,生物学,ゲシュタルト心理学,社会心理学,生命関係学,組織論)における場の概念について,学問領域間の比較を行った.その結果,4つの場の類型を得た.
  • 石井 成郎, 佐久間 佐織
    セッションID: C01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は,プロトコル実験を通して先行研究において開発された看護関連図ツールを使用したときの関連図およびその作成プロセスの特徴を明らかにすることである.実験には看護師8名が被験者として参加した.課題は,ある脳梗塞患者の全体像を関連図にまとめることであった.実験は被験者内計画で行われ,被験者は手書きで関連図を作成する条件(手書き条件)とツールを使用する条件(ツール条件)の両方の課題に取り組んだ.実験で作成された関連図およびその作成プロセスについて,条件間の違いを比較した結果,以下に示す特徴が確認された.(1)手書き条件のほうが事実ノード(課題用紙に記載された情報の記述)の数が多い.(2)手書き条件のほうがリンク数が多い.(3)ツール条件のほうがノードやリンクの移動回数が多い.
  • 山田 香織, 田浦 俊春, 永井 由佳里
    セッションID: C02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,人間が想像し難く,心に響く感性的で創造的な動きのデザイン方法を提案している.視聴覚の総合的な表現下において,想像し難さと感性的な印象の関係にどのような変化が生じるか検討する.動きとそれに合わせた音をデザインするための方法を提案し,システムを構築した.システムを用いて生成した動きと音に対して実験を行い,動きに音を付けた場合と,つけない場合の,動きの印象を比較した.
  • Georgi V. Georgiev, Yukari Nagai
    セッションID: C03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    To investigate the time factor of emotions in design thinking, particularly the formation of the impressions of products, we conducted an experiment to observe how participants experienced a set of basic designed products. We identified and compared the early formed and final core emotions. The findings show that core emotions are usually formed on the first contact, and were related to what people think about the product use. This confirms that the impression is useful to observe in design thinking.
  • 永井 由佳里, ゲオルギエフ ゲオルギ V.
    セッションID: C04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    自由な発想は創造的といわれる人々に共通すると指摘されている.一方で,創造性を高めるためには,厳しい批評を受け,それを乗り越える試練が必要である. 本研究は、厳しい批判を乗り越えてこそデザイナの創造性は高まるという観点から,ユーザの評価に現れる表面的なことばの背後に隠されている真の評価をデザイナに提示することで,創造性を高めるために欠かせない厳しい批評の真意を受け入れ,自ら伸びる力の育成を目指す.そのために、一般的なユーザのことばからその背後にある真の批評をデザイナにフィードバックする仕組みを考案した.批評分析実験を行い,鑑賞者の批評から,潜在意味分析を用いて,その批評の真意を抽出した.批評の真意を甘辛の度数として産出し、その味をフィードバックした.批評フィードバックの結果,辛口の厳しい批評に対して,デザイナはより関心を示した.
  • 鎌倉 好宏, 高橋 武秀, 山本 英子, 田浦 俊春, 永井 由佳里
    セッションID: C05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     今迄のモノつくりの主たる課題は,モノをどうつくるのかを考えることであったが,モノが充足し,技術が成熟している現代においては,なにをつくるのかが問われている.なにをつくるかにまず大きく関わるのは,つくるべき製品の仕様である.一般的に製品の仕様は機能として表現することができる.すなわち,新しい機能を設計する(デザインする)ことが,ユーザの求める製品を生み出すことに繋がると考えられる.  本研究では,新しい機能をデザインするための原型は日常生活にあると考え,特に日常生活の中にある主題的関係を合成することで新しい機能を考案することを試みる.主題的関係とは,「りんご」と「ナイフ」が「りんごをナイフで切る」という状況において強い関係があるように,ある状況(主題)において生じる関係である.  本研究では,日常生活にある主題的関係を合成することで,新しい主題的関係を創り出す方法論を確立し,その主題的関係から新しい機能をデザインすることを目的とする.
  • 石川 義宗
    セッションID: C06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、池田三四郎が手仕事の産業化のためにどのように手仕事を展開したのか明らかにする。彼は柳宗悦の薫陶を受け、自ら工場を経営した。その手仕事では伝統的な工具と電動工具が組み合わされていた。これは現在も同様であり、技術的にみれば作業の効率をあげることにつながり、民芸論的にみれば職人の創意を守ることにつながる。これらの利点はコンピューター・プログラミングによるオートメーションでは得られないものだと考えられている。手仕事にとってそれは過度に効率的であり、それゆえ創意を活用できないのである。民芸論が唱える手仕事について、池田は工場での実践を通じて一つ一つ経験しながら、手仕事の現代的な価値を見直したと言える。発表では、松本民芸家具の現状、池田から柳に宛てた手紙(日本民芸館所蔵)、池田の孫にあたる素民へのインタビューなどをまじえ、以上の点を明らかにする。
  • 高橋 靖
    セッションID: C07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    21世紀に入り、経済・産業活動がグローバルに過熱化するにつれて、環境問題が益々世界に重くのしかかってきている。多消費型のライフスタイルは先進国ばかりかBRICSをはじめとする発展途上国にも広がり、地球温暖化、地下資源の枯渇、食糧危機、自然破壊などを引き起こしている。こうした状況を脱却するには、単に科学技術の発展や社会制度の改革に力を入れるのでは不十分であり、人々がエネルギー多消費型の物質文明から離れたところに真の幸せな暮らしがあることに気付き、サスティナブルな社会を皆で築くモチベーションを持てるようにしなければならない。そうした方向に向かう新しい価値観として私は、これまで「知足豊饒」を提唱してきた。これを少しでも具体化するために、デザインにどのような可能性があり、デザイナーが多くの分野と連携しながらどのような役割を果たせるかを考察した。
  • 林原 泰子
    セッションID: C08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     本報告は,第51 回,第52 回,第54 回研究発表大会において報告を行った『国産第1号家庭用電気洗濯機「Solar(ソーラー)」に関する研究』の続報であり,同テーマでの最終報告となる。近年多くの文献で,日本における国産第1号の家庭用電気洗濯機として取り上げられている撹拌式「Solar」について,原型機である撹拌式「Thor」に関する詳細を明らかとすることで理解を深めることを目的とする。  撹拌式「Thor」について,現存機の確認ならびに製造元・関連特許に関する考察を行い,以下の結論を得て「Solar」成立時の技術導入にについて部分的に明らかとした。

    1)撹拌式「Thor」の製造元は,HurleyMachine Division of the Electric Household Utilities Corporation であり,同機は1928(昭和3)年頃に国内に輸入された。
    2)「Solar」成立に際しては,「Thor」が原型とされながらも,攪拌羽根にはGeneral Electric Company の技術が導入されるという変則的な技術導入が行われていた。
  • 溝口 菜見, 山岡 俊樹, 平田 一郎, 角本 次郎
    セッションID: C09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は,ヒューマンデザインテクノロジーに基づく消臭・芳香剤の容器のデザイン開発とその評価である。まず,ヒアリングと評価グリッド法によりユーザの要求事項の抽出を行った。次に,既存製品に対して,容器の把持した時の圧力分布測定と主観評価を行った。結果に基づき,構造化コンセプトを作成し,プロトタイプを製作した。最後にプロトタイプの評価を行った。
  • 中島 瑞季, 横井 聖宏, 山中 敏正
    セッションID: C10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、インテリア要素として見た壁紙の視覚的特徴に対するユーザーの着目点を実験で明らかにし、ユーザーの価値基準に沿った壁紙の分類指標を作成すための方法を検討を行い、店舗イメージと壁紙選択の関係を明らかにするものである。 実験は 1)視覚的特徴から壁紙を分類する、 2)1)の結果より、視覚的特徴を表す単語を抽出する、 3)2)の結果より、視覚的特徴を表す単語が、店舗売り場の印象を表す単語として対応可能か調査する 以上の3段階で行われた。 その結果,壁紙が素材機能に準じた分類だけではなく、視覚的特徴によっても分類すること、さらにその分類方法が店舗で使用する壁紙の評価用語として対応できる可能性があることが示唆された。
  • 高 清漢, 楊 俊明, 范 以欣, 洪 玉珊
    セッションID: C11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    ファッションが当時のライフスタイルを表し、ファッションの魅力は、消費市場を促進する重要な因子である。さまざまな種類の電子製品は、各自の魅力を持ち、消費者の選択に影響を与える。本研究では評価グリッド法により、12人の高関与の消費者を研究対象として調査を行い、スマートフォン、デジタルカメラ、時計、MP3などの電子製品に関するファッションと考えられる魅力的な要因を抽出し、7の魅力因子(配色、品質と価値、ブランドと文化、素材と加工方法、機能と技術、インターフェイス、さらに造形)があるのを明らかにした。
  • 山岡 俊樹, 冨永 彩容子, 土井 俊央, 宮下 由佳, 鳥海 正義
    セッションID: C12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    昨今の製品開発では使いやすさを考慮するだけではなく喜びや楽しみといった心理的な要求の促進が必要である.本研究では人と製品とのインタラクションの中で感じる喜びや楽しみなどのFUN要因の把握し,その関係性ついて構造化する.このことにより製品開発時に喜びや楽しみを検討するための「観点」として有用な知見を得ることを目指す.FUN要因を検討するにあたり,文章完成法,日記法,フィールド調査,先行研究調査の4つのアプローチによる調査を行い,結果計8個のFUN要因と78個のFUN要因下位項目を把握した.そして,本研究で得られたFUN要因の特徴とその使用方法をについて考察を行った.
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