日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第59回研究発表大会
セッションID: 3-19
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昭和後期における扇風機の発達(4)
三洋電機に見るデザイン開発事例研究
平野 聖
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抄録

昭和後期の扇風機のデザインの変遷に関し、三洋電機のデザイン開発事例をもとに考察した。同社において市場喚起の役割を担ったのが「パーソナル」、「フロアライフ」をキーワードとした差別化戦略であった。特徴的な風のパターンを生み出す「マジックターン」等はサーキュレーション効果に優れ、国内外の市場に高く評価された。また、収納時のコンパクト化や、自然な風の再現を目指したりもした。ただ、これらの動きについては、他社のコンパクト化戦略や、「1/fゆらぎ」に代表される自然な風志向にも影響を受けていることは否めない。昭和60年代以降はNIEsの強力な輸出攻勢により、価格競争に巻き込まれ、低価格化を余儀なくされるとともに、生産拠点が中国へと移転してゆく。

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© 2012 日本デザイン学会
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