日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第59回研究発表大会
選択された号の論文の296件中1~50を表示しています
  • 近藤 朗, 近藤 尚子
    セッションID: 1-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    サービス・デザインに関して、近年開催された国際会議での講義や発表について事例を収集し、その内容について概観し、最近の方向動向について分析する。
  • 吉橋 昭夫
    セッションID: 1-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    美術大学における3年次演習「サービスデザイン」について、CJM (Customer Journey Map)を使った経験の記述とサービスデザインへの適用について報告し、授業におけるCJMの効果について考察した。サービスを理解するために描くCJM、デザインのために描くCJMのふたつを効果的に使い分けることで、サービスの理解とデザインそれぞれのフェーズで効果的があった。演習授業において、CJMを描くことで利用者の経験という視点をより強く意識してサービスをデザインすることができた。CJMは、1)利用者がサービスと長い時間触れ合うことを想像しやすい。2)サービス全体の中で、かたちとして表現する部分の位置づけがわかりやすい。3)サービスの全体像を描きやすい。などの効果があった。
  • 廣瀬 優平, 久米 寿明, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: 1-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、学生がユーザーリサーチに基づいたデザイン提案に取り組む際のリサーチ結果からコンセプトを導出する際の課題に着目し、解決手段として手法の提案を行った。また、手法を用いた実験、結果の分析を行った。課題の抽出では、 学生によるリサーチに基づくデザインワークショップの観察を行い、リサーチ結果の活用が出来た場合と出来ない場合の違いとして“学生自身の経験”の活用が大きな要素となる事がわかった。この結果に基づいて、リサーチ結果を基にデザインを行う際に、デザイナーの体験をきっかけとして利用し、リサーチ結果を活用してデザインを行える様にする為の手法としてデザインジャンプ法(DJ法)を提案した。DJ法を用いた実験の結果、ユーザーリサーチの結果を用いてデザインコンセプトを導出する際、アイディアを発想するデザイナーのテーマに対する視点を明確にする事により、デザインコンセプトの創出をサポートする事が可能な事が分かった。
  • 酒巻 隆治, 加茂 浩之, 益子 宗
    セッションID: 1-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    ECを利用してファッション関連商品を購入する利用者が近年増加してきている.しかし,商品の検索は衣服画像をリスト形式に並べて表示する場合が多く,試着した様子や他の衣服とのコーディネートがわかり辛いというWebデザイン上の問題があった.そこで,本稿ではECサイトにある大量の衣服画像群から,機械的に衣服領域を抽出し,また衣服のサイズを推定し,カルーセルパネルにより衣服画像を動的に並べて表示することで,トップス・ボトムス・シューズのコーディネートを高速に閲覧できるスマートフォン向けの検索インタフェースを提案した.提案法とブラウザ利用とで実際のECサイトで実験を行い,コーディネートを考慮した商品検索の効率が向上することを確認した.
  • 脇阪 善則, 山崎 和彦
    セッションID: 1-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ユーザーエクスペリエンス(UX)やUXデザインのアイディアを可視化する手段としてのストーリーを短期間で作成するための手法として、経験プロットを提案する。先行研究では、ストーリーのパタンや要素は纏められていたが、ストーリーの作成手順までは提案されていなかった。そこで、ストーリーの作成手法として、ユーザーストーリーを作成するための経験プロットを提案した。経験プロットとは、UXのためのストーリーを構成する要素の一つであるストーリーの構造を利用してストーリーのプロットを作成し、このプロットをベースにユーザーストーリーを作成する手法である。ストーリーの骨子であるプロットをまず作成し、そこにストーリーの要素を追加していくことによって、一からストーリーを作るよりもまとまりのあるストーリーを短時間で作成することができる。
  • 山崎  和彦, 脇阪 善則
    セッションID: 1-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は総合的なユーザ体験を考慮したアプローチであるユーザエクスペリエンスデザインを支援するための手法を提案することを目的とする。
  • 大島 直樹
    セッションID: 1-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、香りによって連想されるイメージと表現される図形(カタチ)との関係を探ることである。被験者1名ずつに5種類の香りを嗅がせながら、タブレットPCで稼働させた実験ツールを使用させて、嗅いだ香りから連想したカタチを描かせる実験を行った。また、描画後に香り刺激に対する印象評価と連想したイメージを口頭で質問し回答させた。被験者として、情報系大学の学生22名の協力を得た。呈示刺激には、5種類の精油(イランイラン、オレンジ・スイート、ペパーミント、ラベンダー、ティートリー)を用いた。実験によって合計110個のカタチを取得できた。取得したカタチについて、類似するカタチを同一刺激内で探した結果、8グループが見出せた。また、類似するカタチを複数刺激間で探した結果、3グループが見出せた。そこで口頭回答させた連想イメージも踏まえて考察した結果、次の2点がわかった。1.香りが判別されると具体的なイメージが連想されるため、類似するカタチが表現されやすくなる。2.異なる香りによる異なる連想イメージでも、類似するカタチが表現される可能性がある。
  • KIM SuKyoung, CHO Youngil, NIKI Kazuhisa, YAMANAKA Toshimasa
    セッションID: 1-08
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,使用者がその商品を気にいるための要件として,製品画像に対する「好み(preference)の構造(mechanism)」について検討し,「好み」の構造が意志決定に関与すると想定し,評価に与える影響について解釈を試みた.代表的かつ誰でもが評価しうる工業製品として車を題材として設定し,30名の被験者を対象にした検証を行った.結果として,製品評価において,部分と全体が合成された画像を用いる場合には部分の好みの影響は小さく,前面と側面のように分割して見せる場合には部分が全体の評価に取り変わってしまう危険性があることが明確にされた.
  • 矢久保 空遥, 久保 光徳, 田内 隆利
    セッションID: 1-09
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    現在までに音響工学,音響心理学など様々な領域において,音と,それによる感覚,感情の関係が研究されてきた.特に,音によって得られる空間的な感覚についての研究では『広がり感』あるいは『音場の広がり感』という言葉によって,その感覚を説明している.既往研究では『広がり感』は両耳に入る音の位相差によって生じるものであるとしており,これを一般にステレオ効果と呼んでいる.しかしながら,シンギングボウルの音による空間的な印象はステレオ効果のみによるものではない印象を受けた.そこで,音による空間的な印象はステレオ効果のみでなく,他の要因によっても構成されていると仮説を立て,検証と考察を行った.
  • 楊 炫叡, 林 耕儀, 陳 彦妤
    セッションID: 1-10
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、文化商品のデザイン及び生産、流通販売における文化価値の判断は商品開発にとって重要な手かがりになり、明確的な評価項目が必要である。本研究は文化商品の特性を探り、またデザイナーと産業の要求に応じられる文化価値を計れる評価表を作成するのが目的である。本研究は文献分析及びインタビュー調査から、文化価値を評価するための6つの側面を割り出し、1. 象徴精神、2. デザイン要項、3.地域原創性、4.時代保存性、5.消費感動、6.経済コスト、それぞれの側面から、合計36個の評価項目を設定した。この文化価値評価表を用い、サンプル商品に対し、0~5段階の点数をつけ、得点の高低から、商品の文化価値が見られ、レーダー図から各側面の比重関係が見分けられ、サンプル商品の文化価値の傾向がわかる。文化商品における文化価値の判断にとって重要な手かがりになる。今後の課題として、この文化価値評価表はどのような商品に適用し、また36個の評価項目の有効性を確認することが必要である。
  • 世利 幸代
    セッションID: 1-11
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論の目的は、哲学者Th.W.アドルノにおける機能と装飾の弁証法的関係を明らかにすることである。アドルノの論考「今日の機能主義」(1965)によれば、装飾を徹底的に排除することで機能美を実現した機能主義の形態は、歴史の中でそれ自身装飾的なものへと転化する。この機能主義の装飾化の問題は、アドルノによれば機能主義が想定した機能と装飾の二分法を要因とする。そもそも近代美学において装飾のあり方を定義したのはカントであった。カントにおいて、装飾は実用品に付随するのみの美として定義され、機能のあり方とは断定的に区別されていた。アドルノは、こうしたカントにおける機能と装飾の定義を批判する。装飾はかつて象徴として自然と交流する機能を果たしていた。それが歴史の進歩によって機能を失い、あとに残された形象が装飾的なものとなる。「昨日機能的であったものは今日その反対物へと転化しうる」。こうしたアドルノにおける機能と装飾の弁証法に従うなら、機能のみを取り出して装飾を排除することはできないだろう。歴史の進歩の中で機能を喪失した機能主義の形態は、その美的形象のみが歴史に残され装飾的なものへと転化すると考えられる。
  • 古賀 徹
    セッションID: 1-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    概念(コンセプト)は、デザインの実際の過程においては、 その形象化のプロセスを支配するものとして、中心的な役割を果たす。デザインは、製品の目的としての実用的な機能を 実現するために、概念設定から始まり、それを実現する手段として具体的な形象化へとすすむ機械的技術であるだけではない。デザインは、製品を取り巻く環境や製品の素材の感性的で潜在的な機能を調和させ、最適化する美的な技術でもある。機械的であると同時に有機的、概念的であると同時に感性的という、デザインを特徴付ける両義性のうちで、概念を適切に定義することが問題なのである。本論はこうした問題意識からデザインにおける概念の役割を考察する一助として、ドゥルーズとガタリの概念論を検討し、それをデザインの領域に転用することを試みる。著者たちの概念論は、感性的諸要素に対する概念的包括のみでなく、同時に概念に諸要素の質的側面やその価値強度を反映させ、しかも環境のうちでの動的な生成を定義するという点で、一般的な外延的概念論から際立っている。
  • 黒川 威人
    セッションID: 1-13
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は日本固有のデザイン美学を明らかにする事である。本稿ではこれまで看過されてきた日本のデザイン美学の意義に触れ、先ず、日本の気候風土および伝統文化と密接な関わりを持つ環境デザイン美学について考究する。 日本には環境デザイナーはいたが建築家はいなかったという見方がある。日本では建築とそれを取り巻く造園、室内意匠が総合芸術と考えられていたからである。そうした考え方を育てたのは千年にわたって都であった京都の恵まれた自然、すなわち雨や雪が降る美しい環境が大きく影響している。その自然環境はあらゆる美術分野のデザインにとって主要なモチーフであったが、和歌等の文芸文化もまたそうした背景のもと生まれたのである。
  • 及川 雅稔, 日高 青志, 万城目 聡
    セッションID: 1-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    今日,地域の中小企業等において,多様化・高度化する顧客ニーズや社会ニーズに応える魅力ある製品開発等を実現するためには,技術・品質・価格を超えた第四のパワーとなるデザイン力の戦略的な活用が極めて重要なテーマとなっている。北海道内製造業者のデザイン活用実態調査(H18はまなす(財))等によると,デザイン活用意欲の高い企業では,「デザインの段階的導入・活用方法が分からない」「デザインの活用効果や経営とデザインの関係を理解したい」「何からどんな計画・体制で戦略的に取り組むべきか,実践すべき具体的プロセスとそのポイントを知りたい」「実務の中でデザインをうまく管理し,発展させたい」といった課題があげられている。本研究では,こうした課題に応えていく上での基盤的な取り組みとして,経営活動におけるデザイン活用機会を捉えるフレームを導出するとともに,このフレーム等を念頭においたデザイン活用の成熟度モデルの提案を試みたので,その概要について報告する。
  • 杉野 幹人
    セッションID: 1-15
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、イノベーション研究におけるデザインの類型とその特徴を明らかにする。それにより、イノベーションにおけるデザインの役割に関する示唆を抽出することを目的とする。イノベーション研究におけるデザインの類型とその特徴を明らかにするにあたっては、イノベーション研究の代表的な学術誌であるJournal of Product Innovation Managementにおけるデザインを主題とする論文について、数量化理論三類およびクラスター分析を用いることとした。本研究の結果、イノベーション研究におけるデザインの4つの類型とその特徴を明らかにすることができた。特にそれら類型の中で、「ユーザーとの共同によるダイナミックデザイン」は、イノベーションの源泉を、外部ではなくデザイナー自身の構想に求めることを確認できた。このため、イノベーションの起点としての役割の観点では、この「ユーザーとの共同によるダイナミックデザイン」においてデザインの役割が相対的に大きいことを示唆として抽出した。
  • 金 東珍, 小野 健太, 八馬 智, 小原 康裕, 蘆澤 雄亮, 渡邊 誠
    セッションID: 1-16
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は,“Ubiquitous Banking”へと変化する銀行環境において,新しくなった銀行のタッチポイント管理のために,使用者経験の測定を通じた顧客の新しい金融サービスに対するニーズと,銀行マーケティング手段としての金融サービス供給の必要性を把握し、新しいタッチポイントとなるATM機器空間を提案することである.  まず,使用者経験を測定するために顧客の銀行におけるタッチポイント利用の観察調査をおこなった.そして,顧客の新しい金融サービスに対するニーズを把握するためにアンケート調査を実施し,顧客の新しい金融サービスに対するニーズをまとめた.最後に,サービスプロバイダである銀行側の金融サービスの供給の必要性を把握するために専門家インタビューを行なった.  そして,ATM機器空間の使用者の間と,使用者と銀行の間の金融関連コミュニケーションをサポートすることができるような場所としての可能性を把握し,新しい金融サービスに対する需要と供給をまとめ,これからのATM機器空間の発展方法と変化したタッチポイントを利用した新しい金融サービスを提供するATM機器空間を提案することができた.
  • 中川 尚人, 相田 将明
    セッションID: 1-17
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    プロダクトデザイン課題におけるテーマワードに着目し、テーマワードが成果に 及ぼす影響を明らかにする。その際、テーマワードの抽象度やテーマに取り組む被験者がテーマワー ドから受けた印象など、テーマワードから被験者が受ける条件的な面と心理的な影響をアンケート調 査で確認する。次に成果をデザインの専門教育を受けた者やデザイン系教員に評価してもらう。テー マワードから受ける影響と成果の評価を比較することによって、テーマワードがどのように成果に影 響を及ぼしているのかを明らかにすることを本研究の目的とする。また、实験によって記述されたド ローイングデータを思考方法による影響や、評価得点により分類し、ドローイングを個別に見て行く ことで、アイデアのどのような点が評価に寄与しているのか、どのようなドローイングで思考してい けば良い成果に結びつくのかを明らかにしていく。
  • 森下 眞行, 金丸 敏彦, 三原 鉄平
    セッションID: 1-18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、従来のスケッチ、図面作成、モデリングと個別に行われていた造形教育から、最新の3次元CADと3Dプリンターを利用した三次元CADSystemによって、造形の入力から出力までを一貫した総合的な造形教育カリキュラムを開発し、造形力、創造力の向上とを図り、社会ニーズに対応した人材教育プログラムの開発を目的としている。

  • 市原 増夫, 久保 雅義
    セッションID: 1-19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生した。本研究は。災害弱者に着目し、彼らの避難時、避難所、仮設住宅においての問題点を明らかにした。またそれに基づき災害弱者にとってより住みやすい仮設住宅の考察を行った。ヒアリング調査によると、水回り雅課題が多かった。解決策として、浴室、トイレ、キッチンの共同利用設備を提案し、再びヒアリング調査を行った。結果、トイレ、キッチンについては共同利用設備の需要は無かったが、共同利用の浴室に対しては、十分な需要があることが分かった。このことから、大人が介助しながら入浴できる浴室を備え、入り口前の段差解消、浴槽の深さ等を改善した共同利用の浴室を提案する。提案にあたって、介護施設の浴室調査や、浴室メーカーに対して検証を行った。個別浴室タイプと大浴場タイプの2つのレイアウト案を提示した。
  • 高橋 延昌
    セッションID: 1-20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    スータブル・ギア・デザインとは、デザインの地域活性化に関わり方を便宜的に語るために、筆者が提案したい概念である。筆者は以前から地域に関わるデザイン教育研究に携わってきたが、デザインと地域との関わり方を新しい概念でとらえながら実践的に検証し続けてきた。今回はキャラクターをコアとしてとらえ、震災復興および風評被害対策に立ち向かう福島県の事例を通して、その概念を考察してみる。結果、とくに地方では単独のギアではうまくまわらず、複数のギアが関わり合いながら全体としてまわると考えられる。
  • 宮武 志保, 東出 光嗣, 木村 健一
    セッションID: 2-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    デジタルカメラやパーソナルコンピュータ等の情報機器の普及に伴い、写真や文章などのドキュメントデータを大量に生成・蓄積することが可能となった。一方で、蓄積されたデータの活用方法が求められている。  本研究は中でも地域コミュニティのドキュメントデータに着目する。コミュニティが公的に蓄積しているデータもあるが、コミュニティメンバーである個人が保有しているデータも大量にある。それらのデータは共有されていない現状がある。  データが共有できない理由の1つとして、メンバーは活動の専門家であるが、編集の専門家ではないことが挙げられる。知の編集者として参加するための方法が必要とされており、様々な方法が模索されている。しかし、まだ提案の余地がある。  そこで本研究は、メンバーを語り手として地域コミュニティのドキュメントの編集に持続的に参加可能な枠組みを提案する。記録写真に対する地域コミュニティメンバーの経験や思いが伴った発話(アノテーション)を取得し、活用するシステムを開発する。  本稿では、北海道函館市での実践と、神奈川県逗子市での実践について報告する。
  • 三島 佳, 岡本 誠
    セッションID: 2-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年,地域社会において住民参加のワークショップを取り入れたまちづくりが重要視されるようになってきた.様々な課題を抱える地方都市で住民が住みやすい街にしていくためには,住民自身が解決に導く活動に積極的に参加することが必要である.今後,地方都市で住民の生活移動の要求を満たすためには,臨機応変に住民の移動に対応できる交通機関の新しい仕組みが求められる.本研究は,参加型デザイン手法を用いて新しい交通システムのデザインを提案することを目的とした.フィールドは函館市西部地区とする.現状調査で西部地区住民の生活と交通の関わりを理解するために,日記法を実施した.調査結果から,現状の各々の移動手段に対して不満を感じている現状が明らかになった.ここで抽出した要求事項について住民と議論の場を設け,住民の抱える問題を明確化する.そして問題を解決するデザイン提案についても開発段階で住民に評価してもらう.本研究により,情報システムによってサポートされる地方都市の新しい交通のモデルを定時することができると考える.また,本研究で実施する参加型デザイン手法の有用性も検証したい. 
  • 牧野 暁世, 北島 淳也
    セッションID: 2-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では子どもたちを対象にした効果的なデザインを明らかにするため,身近な里川の魚アブラボテを題材にして生物多様性保全と地域の固有性について教えるための紙芝居やアブラボテ研究レポートなどを開発し,効果の検証を行った.三重県菰野町内の4小学校の4~6年生にて実施したところ,環境教育におけるデザインの重要性が明らかになった.また,生物多様性保全活動の理解や参加について,興味を引きつける教材の使用が子どもたちの理解や参加意欲を促すことが考えられた.以上のことから,環境教育プログラムおよび教材を通して,生物多様性保全活動と地域の固有性について子どもたちの理解が得られたと考えられた.
  • 中村 彩子, 木本 晴夫
    セッションID: 2-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    昨今のスマートデバイスの急速な普及により、インターネット利用環境が自宅などの固定された場所でパソコンを使用するだけでなく、モバイル機器によるユビキタスな環境をより普及させている。その環境によりこの数年でネットの利用内容も変化している。「出会い系」というと多くの人は悪いイメージを持つことが多い。本来「出会う」という行為は人間社会において創造的な実りある営みであり、ネットを通してかけがえのない絆を得られた人もたくさんいる。貴重な情報も人と人とが出会い、その絆による産物である。本研究は、ネット社会、とりわけソーシャルメディアを利用して得られる事ができた人との絆に関して考察するものである。昔から色々なメディアを通して人は出会い、種類によっては周りから良くないイメージをもたれることもあった。そしてその絆意識は年代・時代によって変革してきた。今回行った調査は年代別、世代別に3種類である。ネットで人と出会うことへの意識を小中学生、大学生、大人を対象に調査した。大人への調査は良い絆を得られた人たちである。また子どもたちを悪い出会いから守るために現状把握をした。
  • 本間 由佳
    セッションID: 2-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、広報デザイン活動の重要性を示した事例として、足立区の行政と連携した取り組みである、こどモード@足立における平成23年度の広報デザイン活動を取り上げ、そのプロセス、デザイン、効果の報告と考察である。  足立区の地域性や事業の内容からデザインコンセプトを決め、活動に関わる人々に親しみを持ってもらうための広報ツールとして「アダラ」というキャラクターを制作した。広報用の印刷物を7種類ほど制作し、情報発信に努めた。本格的に広報を始めた10月から受講者数が伸び、特に若い世代の受講者が増加した。  
  • 永見 豊, 新井 大介
    セッションID: 2-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、街区公園は少子高齢化や世代交代など利用者の変化に対応できておらず、利用者が減少している。そのような中、利用者のニーズに合わせてリニューアルを実施する公園が増えているが、地域住民の意見の取り入れ方や調整方法が課題となっている。 現在、八王子市清川町ではまちづくり準備会が結成され、清川町一号公園のリニューアル計画が検討されており、筆者は、景観アドバイザーとしてこの計画に参加した。本研究では、住民参加型公園リニューアル計画の検討経緯と住民の要望や意見の集約のポイントを紹介する。
    リニューアル案に対して、意見をだしやすくするために、アルタイムで視点を移動し、空間を確認できるリアルタイムシュミレーションを用いることにした。利用者の視点で見らことができることで空間をイメージしやすくなり、活発な意見がでるようになった。意見の集約のポイントは、完成イメージを共有し、意見を受けるときは、「どんな空間にしたい」のか、具体的な意見を抽象化して把握することが大切である。
    今後の課題としては、シミュレーション作成の費用の確保とデザイナーがファシリテーターとして会議に参加するしくみづくりが挙げられる。
  • 森野 晶人
    セッションID: 2-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    崇城大学芸術学部デザイン学科のカリキュラムに含まれる写真の授業をベースとした展開として、地域活性化を目指した3例のプロジェクト学習について報告する。「熊本の仕事人70人街中ギャラリー」:熊本市商工課、有限会社ウルトラハウス(出版社)および崇城大学芸術学部の連携により企画・運営され、学生がインタビュー、写真撮影、デザイン、印刷を含むタペストリーの製作および設置に携わった。「市民会館工事フェンスデザイン」:熊本市民会館の改修建築工事にあたり、同会館周囲が約170mの工事用フェンスで包囲された。一般には触れてはいけない工事フェンスをメディアとして昇華し、市民同志のコミュニケーションの場づくりを提案した。「まちxひと城下町ガイド制作参画」:熊本朝日放送が熊本市の中心市街地を中心とした500店舗の情報やストリート紹介、対談、カメラルポなどの情報にわたって紹介する書籍を企画・発行するにあたり、本書のための写真撮影を行った。
  • 都甲 康至, 田村 良一, 池田 美奈子
    セッションID: 2-08
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、地域コミュニティ特有の状況や課題を踏まえ、地域の魅力向上と物産振興を図るために、全国の自治体や商工会等が今後新たに地域ブランドの認定要綱を作成する際に参考となるような食の地域ブランド認定要件を明らかにすることと、それを通じてデザイナーが地域ブランド創生活動に係る際の役割を提示することを目的としたものである。
    まず、沖縄を除く九州7県のうち9市のホームページ等から地域ブランド認定要綱を抽出することができ、その中から食の地域ブランド認定要件(仮説)を内容分析により抽出した。次に、その仮説の有効性を検証するために、今後地域ブランドづくりを行う地域団体の関係者に対してインタビュー調査を行った。その結果、仮説については特段意見がなく有効性を確認できたが、地域ブランド創生に係る自治体や商工会等の担当者の多くは、食や流通等幅広い分野の知識と経験を持ったデザイナーを求めていた。そこからデザイナーには調査(産品ブランド資源/地域イメージ向上資源等)、企画(ネーミング/物語/PR/プロモーション)、デザイン(ロゴ/パッケージ/広告/プロダクト)、評価、制度設計等の役割があることが明らかになった。
  • Kovac Aleksandar, 櫛 勝彦
    セッションID: 2-09
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    デジタルネットワークは、社会における交流・協働の重要な空間として急速な成長を見せている。中でも、インターネット上のオープンソース開発(OSSD)コミュニティは、ソフトウエア開発者社会独特の、創造手法と倫理感の共有という意味で、ある種、局所的地域化がなされているとも言える。そして、多くの場合、それらOSSDコミュニティにおいて、デザイン側からの貢献は成功しているとは言い難い。
    本研究は、OSSDでのデザイン開発特有の課題を抽出した上で、そこでの創造活動に貢献しようとするデザイナーに必要となる基本的かつ規範的行動プロセスを提示する。また、OSSDのみならず、これからのデザイナーの役割とデザイン共有のあり方についても問題提起を行う。
  • 益岡 了, 東野 誠, 貞島 庸佑, 尾崎 洋, 谷本 尚子, 川合 康央, 池田 岳史
    セッションID: 2-10
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    デジタルコンテンツにおいては、従来のテキストベースコンテンツと比較し、画像や音声といった様々なメディアを容易に混在させることが出来る。その特徴を活かし、また地域の魅力を探る調査と連動するために、岡山県立大学が立地する近隣地域である総社市を対象地域として、同地域内の有力な地域資源である井山宝福寺を採り上げたデジタルコンテンツの制作を情報デザイン実習に導入した。そして、これらのコンテンツの体験前後で対象地域への印象の変化をアンケートを用いて調査した。 そして様々な地域状況の伝達や広報に対して、デジタルコンテンツの活用による一定の効果が確認できた。今回は歴史的な観光資源に対する印象や画像の選択といった限定されたイメージに対して調査を行ったが、今後は様々な地域情報への拡張や、調査サンプルの広域化などに取り組むことによって、一層の研究の深化と地方都市再生への一助となるよう調査研究を継続したい。
  • 原田 泰, 小早川 真衣子
    セッションID: 2-11
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ドキュメンテーションに関する視点やスキルの異なる複数のスクライバーに、ひとつのパネルセッションについて同時にスクライビングをおこなってもらい、その結果として制作された各スクライバーの表現を比較する事で、ドキュメントウォールの制作に必要とされるスキルについての考察を行った。結果として、スクライビングの表現には、発話の内容をどのように残すかということばの編集と、ドキュメントウォールなどの紙面に情報をどう図解するかというグラフィック表現の、二つのスキルの組み合わせによって制作される。表現のバリエーションは無限にあり、スクライバーがドキュメントウォール活用の目的を設定して、表現に臨む必要がある事が再確認された。
  • 堀江 政広, 鈴木 綾
    セッションID: 2-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    モバイルアプリケーションの開発では、デザイナーとソフトウェアエンジニアの協調は重要な課題である。本研究ではソフトウェアの開発のために、プロトタイプを用いたワークショップを実施している。目的は4つあり、(1)デザイナーとソフトウェアエンジニア、ユーザーによるデザインの検証と新たなデザインの可能性を発見すること、(2)デザイナーとソフトウェアエンジニアが協調するために共通の言語を手に入れること、 (3) 新メンバーへの教育、そして今回新たに加えた(4)ユーザーエクスペリエンス・デザインである。本稿では(4)モバイルアプリケーションのユーザーエクスペリエンス・デザインためのワークショップの有効性について述べる。
  • 永井 由美子
    セッションID: 2-13
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では「思い出表現ワークショップ」において、個人の「思い出」がどのように参加者間で共有されているのかを明らかにすることが目的である。「思い出表現ワークショップ」では「対象物」を見ながら参加者個々人の「思い出」を「語り」として表現し、参加者間で共有している。そこで語られた「思い出」は、「対象物」を使っていた当時の状況や気持であった。1日のワークショップを実施、そこでの「思い出」がどのように共有されていくかを観察した。そこでの「語り」にはその内容に合った「名前」が参加者の話し合いにより付けられて、やりとりがされていた。このワークショップを通して参加者は家族や古くからの友人ではなく新しい知り合いとも「思い出」を共有することができた。
  • 小早川 真衣子, 高見 知里, 須永 剛司
    セッションID: 2-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    私たちは、デザイン成果が社会で使われる状況をつくることに着目している。目標は、作り手から使い手へ移行できる対象を整理し、そのメカニズムを探ることである。本稿では、ミュージアム等の来場者が自分たちの表現を楽しむ空間「表現ネビュラ」のデザインと社会実装を取り上げる。ここでいう「社会実装」とは、デザイン成果を他者が主体的に使用する事態を意味する。実際のプロセスをふり返ることから、メソッドの運営とツールの運用のメソッドを外化することを課題として見出した。
  • 植村  朋弘 , 刑部 育子 , 戸田 真志
    セッションID: 2-15
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    Workshopという新しいタイプの学びが広がっている。本研究では「Workshopにおける学びの意味と仕組み」を明らかにするための観察ツールの開発をおこなった。Workshopの学びは、自発性と偶然性から生まれる創造的で開放的なものである。学びの出来事を捉えるために、最小単位としてF2LOモデルを設定した。開発したツールは、ビデオカメラで撮影した記録画像をノートPCに読み込み、F2LOモデルとテキストで記述し分析していくことができるアプリケーションである。
  • 横川 耕二, 須永 剛司
    セッションID: 2-16
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    既存の活動における道具や場は、その活動をより良く行えるかどうかの評価によってデザインを洗練することができる。しかし、まだ存在しない活動を行うための道具や場はどのようにデザインすればよいのだろうか?著者らは市民の表現活動を支援するという目的で、芸術の専門家ではない人々が自分の思いを表現するための活動プログラムと道具の開発を行い、新しい活動をデザインするための手法の研究を進めている。本稿では市民の表現活動のための道具「Zuzie」を開発する過程で行われた「デザイン探索を含む段階的デザイン」を活動理論によって記述することで、新しい活動を創り出すためのデザイン手法を論ずる。
  • 中村 真梨子, リンデンベルク ヤン
    セッションID: 2-17
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論考では、筆者らの東京都港区での参加型/横断型のコミュニティデザインのプロジェクトの経験をもとに、長期のコクリエイション(co-creation)のプロセスに関するオルタナティブな見方と手法を提案する。「耕作(farming)」というメタファーを通して、ゴールに焦点を当てた戦略的プランニングの方法とは明らかに異なる、動的で相互的なコデザイン(co-design)ワークショップの手法を提案し、「探索する、準備する、種をまく、育てる、耕す」という見地から、コラボレーションや創造性についての筆者らのコンセプトを概説する。
  • 元木 環, 森 幹彦, 喜多 一
    セッションID: 2-18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    我々は,製造業関係者やデザイナと協同し,大学生を対象とした利用者参加型ものづくり学習の設計とワークショップを実践している.本ワークショップの参加者や協力者に行ったインタビュー調査から,参加学生が実際のものの作り方についての知識体験や「自分もものを作ってよい」という気づきを得るだけではなく,協力者である製造業関係者がW.Sの過程を見学したり参加学生に協力することによって,デザイン業界以外の人がデザインの過程を共有することとなり,彼らのデザインやデザイナに対する意識にも有用な影響を与えていることが推測できると考察する.
  • 木藤 亮, 水町 悠貴, 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸
    セッションID: 2-19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,セレンディピティの生起を促すシステムの構築に向けた基礎研究として,マン‐マシン間でのインタラクション性の導入によるマン‐マシン・セレンディピティを活用した創発デザインシステムを提案する.セレンディピティとは,偶発的に価値のある発見をする能力を意味する.このセレンディピティをデザインの発想に活用できれば,新しい価値や意味をデザイン対象に付与することが容易になると考えられる.本論文では,プロのデザイナーとエンジニアを被験者として,提案した創発デザインシステムを用いた椅子の形状生成実験を行なった.その結果,インタラクション性を導入した創発デザインシステムを用いることで,セレンディピティの活用による偶発的な発見の機会が促され,新しいデザイン発想への可能性を示した.
  • 中井 健太, 細谷 多聞
    セッションID: 2-20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年,我々の日常をライフログとして記録することが増えている.ライフログとは,日常生活での行動をデジタルデータとして記録することであり,WeblogやPhotologといった形で活用されている. 本研究は,人間の様々な行動記録の中でも,特に「感情」に注目している.それは,日常生活の中で人間は無意識に感情を活用していると考えるからである.このことは,過去に遊園地に訪れたことを思い出すときに,「ジェットコースターに乗って楽しかった」といったように,その時に感じた感情を伴って記憶していることからもわかる.本研究では,将来、我々が日常生活の中で「思い浮かべる感情」をライフログとして記録する状況を想定し,過去の体験の思い返しを支援する方法を考案することを目的としている.記録した感情の活用方法としては,ある体験を記録した映像に,その体験でどのような感情を抱いたかをタグ付けすることで,感情を手がかりとして画像や映像を検索できるタイムマシンのような用途を想定している.
  • 塚田 愛可, 酒井 正幸
    セッションID: 2-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    人と動物の関係は、時代の変化に伴い「役に立つ道具」から「癒し」そして「家族」「親友」と変化し始めた。人間基準に作られた日常生活の場の中で、人と動物、双方に無理なく、互いに寄り添える関係であり続けるためには、それぞれの生態に適した環境デザインを行う必要がある。本研究ではアメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンが提唱するアフォーダンスの考えを人間だけではなく動物にも応用することで、人と動物の双方に有益な環境のデザインの提案を行う。はじめに、研究の前段階としての知見を得るため、一般家庭で飼育されている犬を対象とした観察実験を行った。その結果動物にとっても生活の質を向上する手段としてアフォーダンスを利用したデザイン提案が有効である事がわかった。そこで動物のアフォーダンスを利用したデザイン提案の応用として盲導犬に焦点をあて、北海道盲導犬協会におけるインタビュー調査を行った。調査で得られた知見により、盲導犬は目的物の判断基準の多くに、人間同様視覚情報を用いている可能性があることが判明した。これにより盲導犬の誘導とアフォーダンスには密接な関わりがあると推察される。




  • 永井 由佳里, Junaidy Deny Willy, Ihsan Muhammad
    セッションID: 3-01
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    手工芸従事者にデザインの教育を行う場合,創造的とするデザインの基準に,専門的なトレーナとの間にギャップがある.インドネシアで工芸デザイントレーニングのアクションリサーチ及び,ポスト・トレーニング(半エスノグラフィを用いた観察,インタヴュー,教育プロセスのモニタリング)の,4年間にわたるプロジェクトを報告する.デザイントレーニングとポスト・トレーニングの結果,手工芸従事者に適合したカリキュラムの必要性と,伝統に固着する観念を壊す練習が,後の創造的行動を引き出すことが分かった.また,異なる分野の事例提示の効果が示唆され,伝統的工芸とモダン工芸を融合する能力が手工芸従事者にもたらされた.
  • 山田 香織, 工口 陽平, 田浦 俊春, 永井 由佳里
    セッションID: 3-02
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,自然物の動きを合成することによる,創造的で感性的な動きのデザイン方法を提案している.しかしながら,これまで合成元の自然物の動きであるbase moionの選択方法については検討されてこなかった.そこで,動作を表す言葉として擬態語に着目し,base motionの選択を支援することを試みる.さらに,自然物の動きを基にbase motionを生成し,そのデータベースを作成する.
  • 佐野 孝太郎, イアン グウィルト, 永井 由佳里
    セッションID: 3-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    科学的なコミュニティの外側に暮らす多くの人々とって統計資料やそのグラフィックスは、情報技術の進歩や情報網の広範な成長にもかかわらず抽象的で難解なままである。 本研究は、科学的データに対してよりよい理解および高められた接近しやすさをもたらすことを意図して実際に人工物の創造を行い、私たちがどのように工学技術の専門領域からの統計データに基づいて直接の情報を得るかを調査する。また、本研究は、デザイナ、エンジニア、科学技術者およびエンドユーザ コミュニティの学際的なチームによって構成され、メディア変形の戦略は、どのように異なる利害関係者の間で知識を相互に伝え合ったり、転移したりするために利用されることが可能なのかを調査することを目標とする。
  • 出原 立子, 三浦 達也
    セッションID: 3-04
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    金沢は優れた伝統工芸の技術を有し、今なお手作りのものづくり精神が継承されていることなどが評価され、2009年にユネスコ創造都市ネットワークのクラフト&フォークアート部門に認定された。しかし、他の地域と同様、近年、伝統工芸産業の衰退が深刻化し、特に若者の伝統工芸離れや、生活スタイルとのギャップが顕著な問題となっている。その背景にあるのが、生産者が生活者の声を聞く機会が少なくニーズを把握し難いということ、生活者が地域の伝統工芸について十分に理解していないという事などが挙げられる。そこで本研究では、地域の伝統工芸に関わる生産者と生活者とを直接結び、生活者がサポーター的な位置づけで共に地域の手作りのものづくりを発展させてゆくためのしくみ作りを目的として、新しい手作りのものづくりを考えるためのWebコミュニティサイトをつくり、さらにそのWebコミュニティの推進をはかるための街中でのコミュニケーション手法を提案し実施した。街中でセンサーを用いたインタラクティヴコンテンツで道行く人々を自然と巻き込む形でデジタルサイネージへ引きつけ、そこでの体験を通じて本Webコミュニティサイトへの導線を作り出した。
  • 大槻 繁
    セッションID: 3-05
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    ウォーターフォール型の従来のソフトウェア開発は、要求仕様を固定し、その後に、実装を行うプロセスである。最近台頭してきたアジャイル開発プロセスは、要求変化に俊敏に対応することができる。これ等は原理的に、仕様に対し実装が対峙しているという意味で、いわゆるV字型の開発プロセスに従っている。 一方、ソフトウェアは実世界に置かれる実行可能な知識であり、そして、それは同時に、デザインの対象となる人工物であると見なすという観点を導入することによって、従来の問題解決型のみならず、創造型のソフトウェアを対象とした構築と進化のプロセスを定義することができる。ソフトウェアを取り巻くコンテクストに要求の発生源がある。ソフトウェアの利用とは、実行による利用者とソフトウェアとの間の作用と反作用のプロセスである。利用者の認識と要求は、ソフトウェアの実行とともに変化していく。このプロセスをΛ字モデルと呼び、本論文では、従来のV字開発とΛ字利用とを統合したΛVモデルというソフトウェア構築と進化のプロセスを提案する。本発表では、従来のアプローチの限界がどこにあったかを示し、その解決の方向性について論ずる。
  • 石川 義宗
    セッションID: 3-06
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    民芸運動は1926年に柳宗悦によってはじめられ、近代以前の工芸品の普及とその美的価値を啓蒙することを目的とした運動である。しかし、近代化する時代のなかであえて過去の手仕事に光を当てるものだったため多くの課題に直面した。民芸運動に参加した池田三四郎は長野県松本市に松本民芸家具を設立し、そこに職人を集めて民芸を生産した。池田にとって民芸論の実践は単に過去の民芸を模倣することではなく、現代に合ったかたちで手仕事を実践することだったという点だ。したがって、近代以前の工人の創意に近づくばかりではない。本研究は池田が如何にして現代に活きる民芸を模索したのか明らかにする。そのために彼の取り組みを二つの方向から考える。一つ目は池田が過去の民芸をどのように見ていたのか、二つ目はそれと新作民芸はどのように関係しているのかである。これにより、池田の民芸に対する見方とその応用の仕方を理解する。さらに本研究ではそれらが当時のモダニズムとどのような関係にあるのかについても考える。
  • 鉄矢 悦朗
    セッションID: 3-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、東京学芸大学教育学部で取り組んできた「展覧会づくり」を通じた実践的デザイン教育の報告と考察である。「展覧会づくり」はデザイン教育に効くと仮説もって実践に取り組んできた。「go at hut」~ヤギ観察施設のデザインと制作」展示発表会、「UNVERSAL 10(TEN)」ユニバーサルデザインに関する展示、「ケイソウ展-珪藻、知と美の小宇宙」展、企画展「こどモード-子供と未来と遊びを考える-」、「雑穀展-個性(バラエティー)豊かな雑穀たち-」、展覧会「暗黒星雲展2010  星雲の時間・私たちの時感」、「“TOHOKU QUALITY” exhibition 」である。結果を概観することで以下3点に気づく。①伝えたいと欲するぐらい興味深い体験をさせ、モチベーションを持たせること。②展覧会での来場者との直接のコミュニケーションが自分の行ったデザインの効果を実感させる重要な体験であること。③クオリティーコントロールには、展覧会以前の課題等で高いクオリティーを生み出す喜びを知っていること。今後、評価方法に工夫をし、デザイン教育への効果を示す必要がある。
  • 陳 郁佳
    セッションID: 3-08
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、デザイン過程において指導式創造思考教育行うと、学生の創造力における天賦の才能を促進し、更に豊かなデザイン表現を導くと先ず仮定している。そして、中学生を実験グループと比較対照グループの各14人に分け、両グループに「トーランスの創造的思考テスト」 (Torrance tests of Creative Thinking、 TTCT)の実験前テストを実施した。これは両グループの学生の元々の創造力を知ることを目的としている。その後、創造思考教育実験を行い、創造力心理過程の四段階を基礎として、その変化を創造思考教育のための手順に使用する。 実験グループと比較対照グループの両者は4週間の創作時間をかけて「個人形象デザイン」作品の創作実験を分かれて行った。実験グループには創造思考教育手順に従って創作指導を行い、 比較対照グループには自由に創作させた。続いて再度TTCTの実験後テストを実施し、両グループの学生の創造力の流暢性・独創性・綿密性・柔軟性等の能力について実験前後で違いがあるか比較した。同時に両グループ作品に対する中学校の教師と学生の評価を調査した。 最後に、以上の実験と調査の結果を基に、デザイン表現に対して創造思考教育は良い影響を与えるのか検討した。
  • 竹原 諒, 永井 由佳里, 森田 純哉
    セッションID: 3-09
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    ユーザがデザインをより創造的なものにすると言われているが、ユーザの知識が体系化されているとは限らない.本研究では,ユーザの行動を見抜く方法として行動観察に着目した.動画観察を用いてユーザにニーズ探索を行なってもらい,アイデア創出を行ってもらう実験を行った.有効な動画観察の方法としてエピソードを用いた手法を提案した.本研究におけるエピソードとは,動作の集合体が行動となるとして,動作の集合体を指し,一連の動作から なるエピソードとして行動がとらえられると考える.エピソードはタグと動作エピソードで構成される.タグは,行動の内容を体系化するものとして使用した.実験は,日常的風景からデザインアイデアを創出してもらい,エピソードを用いた動画観察の効果を実験的検討を通して評価を行うことを目的とし,大学院生10名を対象に実験を行った.結果,エピソードはデザインアイデアをのヒントを得るためのツールとして使いやすいと評価され,今後,展開可能であると示唆された.また,動画やエピソードから自分の経験を思い出すことができることがデザインをより創造的にするきっかけとなるのではないかという検討ができた.
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