自閉症スペクトラム障害を持つ思春期の自閉症女児が使用するスケジュールに着目し、TEACCHプログラムとビジュアルデザインの観点から、よりユーザーにとって分かりやすい内容を検討した。改善点は、視覚優位な特性を持つユーザーに伝わりやすい視覚情報の使用、情報の集約、ユーザーの理解レベルに応じた情報量の調整、目線の誘導、書き言葉と話し言葉の統一、などである。また、支援者が継続的に自作できるよう、汎用性の高いフォーマットを開発した。その際のポイントは、一般に広く普及したソフトであるWord2007やフォントを用いること、作業がシンプルであること、ユーザーに応じたカスタマイズが可能であること、一般家庭で印刷できること、である。作成時に、制作者は基本的にスケジュールの内容に応じて日時、テーマ、各作業内容と場所などの文字と、作業内容のアイコンや役割をもつ人物の画像を、対応するものと入れ替えるだけで良い。また、各要素はグループ化されており、配置の入れ替えもスムーズである。印刷の後も、各女児の理解度や特性に応じて、必要な持ち物や時計の針などを書き込むことでカスタマイズできるよう配慮されている。