多量のデータを視覚的にわかりやすく表現するための手法である「データ視覚化(Data Visualization)」、あるいは、イラストレーションやグラフィックスの観点から親しみやすく情報をデザインする「Infographics」に関する研究/実践の社会的インパクトが増している。しかし現在のところ、データの視覚化技術は、その有用性が認識されてはいるが、誰もが目的に応じて活用できる汎用のフレームワークとして社会に浸透するには至っていないといえる。 そこで本研究では、視覚化研究として新規性を持つ独自表現の開発を目指すとともに、(単なる視覚化に止まるのではなく)人とデータの関係性をより包括的にデザインし、新たな「視覚的データ管理手法」を確立することを目的とする。この目的に対し、独自に開発を進める「KACHINA CUBEシステム Ver.3」(以下:KC v3と表記)を軸にアプローチする。具体的には、1)誰にでも目的に応じ活用可能な「情報システムとしての視覚化フレーム」の構築、および、2)データセットの持つ変量やデータ構造を柔軟に表現できる「立方体視覚化モデル」の確立という2点に取り組む。