抄録
近年、製品デザインの現場において、User Experience(UX:ユーザ体験)概念の重要性が様々な研究者から指摘されている。UXと評価の関係性に関する研究は、コンシューマ機器やサービス経験を研究対象とするものが多く、機器利用体験の中でも特に有用性や効率を重視される業務用機器の利用経験とその製品評価との関係性や、ブランド評価への影響についての具体的な関連性は明らかにされていない。本研究では、レーザープリンターを例に、日常的に機器を利用するユーザの機器利用体験の実態と、利用経験により発生する製品や製品ブランドへの評価の関係性について、質的研究法の一つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行い、実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性の枠組みを捉えようと試みた。その結果、実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性に関わる49のカテゴリーと、4つの経験パターンを見出し、それを基に実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性全体の枠組みを経時的変化を視点として表現した仮説モデルを生成した。