抄録
日常の様々な場面で、自分の行ったことを思い返す機会がある。学生であれば部活後の反省会であったり、友人と作品につ いて語る時であったり、講評会であったり、それらは自然に行われているものである。そのような体験を考察してみると、他者と対話している時にそれらの思い返しが頻繁に行われていることに気づく。私はそこで行われるコミュニケーションに興味をもった。
著者は2012年より看護現場で実践されている「MEDプロジェクト」と呼ばれる医美工連携研究に参加し、仕事という活動におけるコミュニケーションに適用し得る「ふり返り」の場をデザインすることを試みた。MEDプロジェクトは医療分野と工学分野、美術分野が連携する学際プロジェクトで、佐賀大学医学部と産業技術総合研究所、多摩美術大学が共同で取り組んでいる。私はこのプロジェ クトに参加しながら成果の一部を修士研究に応用し、看護現場で交わされる新たなコミュニケーション活動とそれを支える業務記述と心象表現のためのソフトウェアツール「mind canvas」 をデザインした。本論では「mind canvas」の基本デザインについて述べる。