抄録
現在の公共空間における音案内は,スピーカーを用いて行われ,主に駅の改札口や公衆トイレ,階段などで誘導サイン音を聞くことができる.ところがスピーカーによる音案内の場合,歩行音などの雑踏によってかき消されやすく,正確に伝わらない可能性があると考えられる.また,近年のスマートフォンなどの個人用携帯端末の発達や地図アプリケーションの充実により,今後は携帯電話を頼りにして移動することが主流になると考えられる.同時に,音によってどこへ行っても円滑に移動できるようにするためには,現状よりもさらに分かりやすい音案内が必要ではないかと考える. 本研究では,公共空間上で設置されている誘導音の活用のしかたを抜本的に見直し,音による案内のさらなる充実性を図るため,将来的に地図アプリケーションに入れこむことを前提とし,空間上にある数多くの施設における音のデザインについての検討を行った.具体的には,公衆トイレや休憩所,エレベーターなどにおける特性やイメージについて考え,それぞれ別々に音をデザインすることで,人々への理解度や利便性の向上を目標にデザインした.