日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: A3-01
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メーキャップによる肌色の誘導現象(2)
岡崎 あかね小室 友理奈髙野 ルリ子大久保 紀子桐谷 佳惠
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抄録

メーキャップにおいて肌色と同系色のメーキャップの色が肌なじみがよいとされる。肌色と反対色のメイクをするとくすむ場合があるが,プロの経験として肌色がきれいに見える場合もある。本研究は,小室ら(2014)の実験を踏まえ,色彩による影響をより深く検討するためL*a*b*色空間をもとに設定したアイシャドウによる肌色への影響を検討した。肌色は赤みと黄みの2色,アイシャドウは知覚的に同程度の色味の7色と物理的に同程度の彩度の8色を用い,それぞれにアイシャドウなしを加えた。20人の女子学生に「明るい」方また,「色味(赤肌なら赤み,黄肌なら黄み)が強い」方を選んでもらう,サーストンの一対比較法で調べた。結果はサーストンのケースVと数量化4類,クラスター分析を行った。結果として、明るさはアイシャドウなしが一番明るかった。色味は,黄系のアイシャドウが黄み肌をより黄色く,赤系のアイシャドウが赤肌をより赤く見せた。つまり,アイシャドウによる肌色の同化傾向があるとわかった。これらの結果は顔や身体に起こる同化,エコー錯視(森川,2012)の一例と考えられた。

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© 2015 日本デザイン学会
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