台湾と日本において、現代生活と自然が乖離し、自然が崩壊 し続け、自然と共生してきた生活文化がまさに消えようとし ている現在、人間と自然の接点ともいえる「遊び仕事」は経 済的価値が少ない民俗文化として消滅しかけており、まさに 今日、その見直しは喫緊で重要な取組であると考える。本研 究は、台湾原住民Taromak族における自然共生型の生き方や ゲマインシャフト的なコミュニティのあり方に焦点を当て、 環境民俗学的な視座から、現在も続けられている住民と自然 との関係に関する伝統的な技術・道具・慣習・食文化・集落共同 体における行動規範などについて考察・整理する。さらには、 自然共生の生き方に関わる当事者の生活行動・生活意識(生活 哲学)などを学ぶ中から、現代社会のテーマ「いかに自然共生 型のライフスタイルを日常生活の中に浸透させていくかの探 求」について検討していく。