現在、市場に出回る製品のカラーバリエーションにおいて、展開される色の数にはコストの面で限界がある。そこで展開される色の数ではなく、色の組み合わせにより色の印象に及ぼされる影響に着目した。本研究では、色の組み合わせの違いによって色ごとに印象がどのように変化するのかを調査した。調査では、色票、スマートフォン、ノートパソコンの3つの製品において、同一色相内でのトーンの組み合わせ、色相差の大きい色の組み合わせ、製品のカラー展開で最も多くみられる色の組み合わせの3種類の色の組み合わせを作成し、赤や青の色刺激を含んだそれらの組み合わせを被験者にランダムに呈示した。呈示刺激において、被験者には17形容詞対による7段階の主観評価尺度を用いて、赤と青に対する色の印象を評価させた。被験者の評価とSD法による調査の結果、色の組み合わせの違いによって赤と青の色の印象が異なり、赤と青のように色ごとに印象の変化に違いがあることが明らかとなった。また、製品の違いによっても色の印象が異なることがわかった。