美術、特にファインアートを学ぶ学生にとって、企業活動に近い実践的なデザイン教育を受ける場は少ない。今日ではアート領域学生の卒業後の進学や就職、社会進出をバックアップするためにも、社会と対話し、ターゲットユーザーに向けて造形し、伝えることを実践的に学ぶ場が求められている。九州産業大学芸術学部では2008年より、大学の立地を活かした地域産業と連携し、プロジェクト型教育プログラムを継続している。本プログラムへアート領域学生が参画することによって、彼らの持つ専門領域の創造力・表現力をデザイン活動に活かすことができた。同時にデザインの現場において協働作業に積極的に参与することで課題対応能力・問題解決能力など、通常の授業では学ぶことの難しい汎用的能力を習得することができた。本研究では2014年の活動を通して、アート領域学生に対するデザイン教育としてのプロジェクト型教育プログラムの有効性を検証し、考察する。